【イベント】元甲子園球児の渋倉准教授が指導者・保護者向けセミナーを開始

新潟南高のエースで4番打者として1989年夏の甲子園に新潟県代表として出場し、現在は桐蔭横浜大学でスポーツ心理学を専門とする渋倉崇行准教授(43)が8日、新潟市で指導者と保護者向けのセミナーを開いた。子どもや選手のやる気を引き出させるためにはどうしたらいいかを考える内容で、午前、午後のセミナーには少年野球の指導者など約40人が受講した。

スポーツ心理学の観点から「選手への動機づけが大切」と説く渋倉崇行准教授


指導者向けと保護者向けの2回で約40人が受講した

渋倉准教授は日本大、新潟大大学院を経て、名古屋大大学院を経て、現在は神奈川県の桐蔭横浜大学で教鞭をとっている。昨年、子どものための明るいスポーツ環境をつくることを目的とした非営利団『一般社団法人スポーツフォーキッズジャパン』を設立。今年は新潟市を皮切りに長岡市、横浜市、さいたま市の4か所でジュニア指導者と保護者向けの連続セミナーを開催することにしている。こうした研修活動を中心に、研究事業や途上国の子どもたちへの物資支援事業などをおこなう予定。

初回となった今回の指導者向けセミナーで渋倉准教授は「指導者からの叱責などによる『外発的動機づけ』ではプレーが消極的になり、何のために競技に取り組んでいるのか子どもたちがわからなくなる。上手くなった、自分でプレーをしている、と感じさせることで、スポーツは楽しいと子どもたちが自発的に取り組むような『内発的動機づけ』が大切」と受講者に説いた。セミナーは12月まで全4回開催される。

渋倉准教授は「まずは指導者自身が子どものスポーツ活動に責任を持ち、学び続けることが重要。自分自身は今までは研究が中心だったが、これからは実践的に指導者と関わっていき、そのお手伝いをしたい。自分自身もスポーツを通じて成長できた人間で、伝える材料もあり、専門で学んできたことをいかして、皆さんとスポーツの新しいあり方を考えたい」と述べた。今月22日には長岡市でも同様のセミナーを予定している。

(取材・撮影・文/岡田浩人)