【NPB】飯塚投手「一日も早く一軍マウンドへ」 DeNAが新入団選手発表会 

プロ野球のDeNAベイスターズは21日、横浜市で新入団選手発表会を開いた。ドラフト会議で7位指名を受けた日本文理・飯塚悟史投手(18)は背番号30の真新しいユニフォーム姿で登場し、「一日も早く一軍のマウンドに上がれるよう頑張りたい」と力強く決意を述べた。

背番号30のユニフォームを着た飯塚悟史投手


DeNA球団本社でおこなわれた新入団選手発表会 右端が飯塚悟史投手

飯塚投手はやや緊張した様子で発表会場に現れた。決意を記す色紙には「気」の文字を書いた。「野球をやっている時や日常生活から気持ちの入ったしっかりとした人間性、しっかりとした野球人となって頑張りたい。一日も早く一軍のマウンドに上がれるよう頑張りたい」と中畑清監督の前で誓った。

中畑監督「今の姿はまだプロで通用するかというとまだ弱い。体を作るというのが最初の仕事。強い気持ちを持ち続けて頑張ってほしい。まだ未完の大器。投手としては先発、完投、完封が当たり前にできる能力を持った選手。期待している」と激励した。

中畑清監督(右)と池田純社長(左)の前で「気」と書いた色紙を持ち決意を述べる飯塚投手

初めてDeNAのユニフォームを着た感想を問われると、「これからプロの選手になるんだと身が引き締まった。将来はたくさんの人から目標とされる選手になれるよう頑張りたい」と話し、
「対戦したい選手は巨人の阿部慎之介選手。バットを折って内野ゴロに仕留めたい」と意気込みを表した。

中畑監督と記念撮影をおこなう新入団選手 後列右端が飯塚投手

発表会終了後、改めて取材に対し飯塚投手は「緊張で手が震えた。(30番は)想像していなかった番号なので、責任感がわく。番号に匹敵する活躍をしたい。中畑監督は不思議なパワーを持った監督。1年でも早く、新潟で凱旋登板ができるように頑張りたい」と話した。また「ハマの○○」と何と呼ばれたいかとの質問に、「ハマの太陽、ということで、ベイスターズという星を輝かせられる存在になれるよう頑張りたい」と答えた。

報道陣の質問に答える飯塚投手 背番号30が光る


飯塚投手を始め新人選手8人は、入団発表会の前に横浜スタジアムを訪れ、グラウンドやブルペンなど施設を見学。飯塚投手は初めて同スタジアムのマウンドに上った。

22日には同スタジアムでおこなわれる「ファンフェスティバル」でファンへの挨拶をおこなう。新入団選手は1月8日から始まる新人合同自主トレでプロ生活をスタートさせる。

横浜スタジアムのマウンドに立つ飯塚投手 一日も早い一軍登板が待ち望まれる

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【NPB・高校野球】飯塚悟史投手にDeNAが指名挨拶 背番号は「30」に

プロ野球ドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから7位指名を受けた日本文理高校3年の飯塚悟史投手(18)が5日、新潟市西区の同校でDeNAから指名挨拶を受け、仮契約を結んだ。契約金2000万円、年俸500万円(金額はいずれも推定)で、背番号は「30」に決まった。

会見でDeNAの帽子を被った飯塚悟史投手(左)と吉田孝司編成・スカウト部長

指名の挨拶は午後4時半から同校の校長室でおこなわれた。DeNA側からは吉田孝司編成・スカウト部長兼GM補佐と担当した河原隆一スカウトが出席した。

吉田部長は「担当スカウトから聞いていて夏の新潟大会も見て評価はしていた。ただ現場からの要望は『即戦力』ということで、高校生の投手は目をつぶろうと言っていた。ところがドラフトが進んでもまだ飯塚くんが残っていた。本当は(指名は)6人で終わろうとしていたが、会場で高田(繁)GMに『残っていたら行こう』と言って、池田(純)球団社長に『もう1人増やしていいですか?』と話して『いいよ』と言われ指名させていただいた。縁を感じた」と指名に至ったいきさつを説明した。河原スカウトも「ベイスターズは新潟でも試合をおこなっていて、指名できて(池田)社長も喜んでいた」と話した。

指名挨拶をおこなう吉田孝司部長(左端)と説明を聞く飯塚悟史投手(右端)


左から日本文理の大井道夫監督、DeNAの吉田部長、河原スカウト


右から飯塚悟史投手、母親の香さん、父親の満喜さん

挨拶後の記者会見で飯塚投手は「必要としてもらえて嬉しい。ベイスターズの一員としてチームに貢献できるよう頑張ろうと思った。プロとしてしっかり活躍できるよう頑張りたい」と笑顔を見せた。

吉田部長は「去年秋の神宮大会(決勝)で本塁打を2本放ち、打撃がいいと思っていたが、甲子園の投球を見て投げる方もすばらしい球を投げると思い、新潟大会も高田GMと見て評価していた。これだけのいい体をしている。中畑監督にも『しっかり練習して来てほしい』と言われた。1月上旬から始まる新人合同自主トレに合わせてしっかり練習をしてきてほしい」と激励した。担当した河原スカウトは「変化球を投げる際の指先の感覚がいい。将来、中心選手になれる」と期待を寄せた。

今後は12日に健康診断がおこなわれ、21日にDeNA本社で入団発表記者会見がおこなわれる。22日に横浜スタジアムでおこなわれる「ファンフェスティバル」でユニフォーム姿が披露される。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【ドラフト】飯塚悟史投手 DeNAが7位指名

プロ野球ドラフト会議が23日、東京都内のホテルでおこなわれ、日本文理高校のエースとして今夏の甲子園ベスト4の原動力となった飯塚悟史投手(18)が、横浜DeNAベイスターズから7位指名を受けた。日本文理高校で記者会見した飯塚投手は「やっとプロのスタートラインに立てる。いろんな人から応援される、目標とされる選手になりたい」と喜びの気持ちを語った。

指名後の記者会見で表情を緩ませる飯塚悟史投手 右は大井道夫監督

飯塚悟史投手は上越市出身。右投げ左打ち。186センチ、83キロの堂々とした体格から最速145キロの直球とキレのあるスライダーやフォークボールを操る。高校1年の秋からエースナンバーを付け、2年夏に甲子園に出場し初登板。2年秋に北信越大会で優勝。神宮大会では決勝で1試合2本塁打と打撃でも注目を集め準優勝。今春の選抜甲子園は1回戦で豊川に敗れるも安定した投球を見せ、投手として評価を上げた。今夏の甲子園では全5試合で完投しベスト4に進出。U18日本代表に選ばれた。

新潟県出身のプロ野球選手が誕生するのは去年、楽天から指名を受けた相沢晋投手(巻高校出身・日本製紙石巻)に続き2年連続となる。高校生でドラフト指名されるのは巨人に指名された高橋洸選手以来3年ぶり。日本文理高校出身者でプロ野球ドラフト会議で指名されるのは吉田篤史投手(ヤマハ-元千葉ロッテ等)、本間忠投手(元ヤクルト)、横山龍之介投手(元阪神)、高橋洸選手(巨人)に続き5人目。

◎飯塚悟史投手の記者会見の一問一答◎
Q今の気持ちを
飯塚「自分を選んでもらって、やっとプロのスタートラインに立てるんだと思うと嬉しい」
Qどんな気持ちで待っていた?
飯塚「すごくドキドキした気持ちで、まだかまだかと待っていた。自分を選んでもらえて嬉しい」
Q不安もあった?
飯塚「もしかしたらというのは考えていたが、自分を必要としてもらえて嬉しかった」
Q名前が出てどんなことを考えた?
飯塚「チームがどこであろうと、プロの世界を目指してやってきたのでほっとした」
QDeNAはどんな印象?
飯塚「監督さんをはじめ、すごくいいチームだと思うので、そのチームに自分が必要とされるように頑張っていきたい」
Q戦った選手の名前が出てきたが
「一緒に戦った仲間たちが指名を受けていたので、自分もまだかなという気持ちになった。またプロの舞台で競い合えるかと思うと楽しみ」
Qこの喜びを誰に伝えたい
「お父さん、お母さんにしっかり自分の口から伝えたい」

会見場で息子の姿を見守る父親の飯塚満喜さん(右)、涙ぐむ母親の香さん

Q大井監督に、どんな気持ち?
大井監督「ほっとした。本人と進路について話し合った時から、プロ一本で行きたいと。『おまえの意向に沿って、大学や社会人から誘いがあったが断るぞ』ということで、プロに行きたい思いが通じたということで監督としても嬉しい」
Q7位という順位については?
大井「球団も思惑もある。入れば横一線で1位も7位もない。あとは本人の努力。私はこの子はやれると思っている」

Q飯塚投手に、どんな選手になりたい?
飯塚「いろんな人から応援されて、目標とされる選手になりたい。投手一本でやりたいと思う」
Q大井監督に、アドバイスは?
大井「体力的にまだ体が細い。時間をかけて、私は3年目くらいに出て来てくれればいいと思っている。あと5~6キロ体重も増やしてほしい。必ずやれると思っている」
Q飯塚投手に、意気込みを
飯塚「プロのスタートラインに立ったので、これからも努力して第一線で投げられるように頑張りたい」
Q新潟県の皆さんが応援している。決意を
飯塚「新潟県出身として、いろんな人に夢や希望を与えられるようプロの世界で活躍する姿を見せられれば」
Qどんな投手になりたい?
飯塚「自分が目標とされる選手になりたい」


チームメイトに肩車される


チームメイトと記念撮影

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【NPB】26、27日に三条パール金属スタジアムでウェスタン阪神×中日2連戦

三条野球祭り実行委員会では26、27日と三条パール金属スタジアムでウェスタンリーグ公式戦・阪神タイガースvs中日ドラゴンズの2連戦を開催する。ことしで7回目となるファーム公式戦開催となる。26日が12:30、27日が12:00の試合開始予定。

阪神には2年目の北條史也内野手や3年目の歳内宏明投手、4年目の一二三慎太外野手ら高校時代に甲子園を沸かせた若手選手の帯同が期待される。また中日は堂上剛裕外野手、堂上直倫内野手の兄弟などの出場が期待される。出場選手は当日発表される予定。

また試合前には阪神の選手2名によるサイン会(両日とも10時抽選権配布)、キャラクターとのふれあい会などイベントも予定されている。

(文/岡田浩人)


【インタビュー】日ハム・大渕隆スカウトが来県 「チャンスは身近にある」

十日町市出身で北海道日本ハムの大渕隆スカウトディレクター(43)が28日から新潟入りし、県内の高校などを視察している。大渕スカウトは一昨年のドラフト会議で1位指名した大谷翔平選手(花巻東高出身)の交渉担当として、『大谷翔平君 夢への道しるべ』という資料を作成・提示。粘り強い交渉で入団を実現させた。十日町高の三塁手で主将として2年秋に県大会優勝し、その後早稲田大に進学。東京六大学でベストナインを獲得した。社会人を経た後、地元に戻り公立高校教師に・・・その後、35歳で日本ハムのスカウトに転身した異色の経歴の持ち主だ。プロスカウト現場の最前線で活躍する大渕さんに新潟の高校生への思いを聞いた。

県内の高校を視察する日本ハム・大渕隆スカウトディレクター

Q今回の新潟入りの目的は?
大渕「2月に予定されていた日本文理高の埼玉遠征が大雪で中止となり、選抜大会前に飯塚(悟史)投手を視察したかったので新潟に来ました。せっかくの機会だし各高校にも足を運ぼうと思って数校見て回っています」
Qプロのスカウトはこの時期どういう活動をしていますか?
大渕「自チームのキャンプを見て、3月になると大学や社会人のオープン戦が始まるので見て回ります。高校の練習試合解禁が3月8日。3月は練習試合ばかり見ています」

Qこの時期に高校生を見る際のポイントは?
大渕「名前が聞こえてくる選手はどんな体格をしているのか、どんなフォームなのか・・・この時期は細かいところを見ても仕方がないので。基本的には高校生は素材を見ます。最近はよく高校生に対し『プロに行くなら大学経由がいい』などと言いますけど、僕はそうは思わなくて、18、19歳の感性は23、24歳にはないものがある。素材が良ければ早く高いレベルに入れた方がその選手の野球の能力は上がると確信しています。もちろん人生をトータルで見た時にいろいろな判断があるとは思いますが、野球の能力を伸ばすという意味では、高いレベルに早く入れた方が伸びます。大学行ってからでも遅くはない、という言葉は好きではない。むしろ遅いと思います。僕もアマチュアにいた時はそう思っていましたが・・・」

Q地元新潟の存在は?
大渕「自分がスカウトになってから新潟からはバイタルネットの谷元(圭介投手)しか獲ってないので、できれば高校生をダイレクトで獲りたいという気持ちはあります。ウチの球団は比較的、高校生を育てる環境があるし、意欲的な素材があればぜひと思っています」
Qプロで大成するための大事な要素は何でしょう?
大渕「今現在の自分なりの公式は、『(身体能力+環境)×圧倒的な向上心』ですね。僕自身が考えるには『向上心』がなければ無理ですね」

Q新潟の高校生にメッセージを
大渕「新潟をはじめ、地方の高校生は体格や身体能力において、関東の高校生と比較してもそん色ないどころか勝っている選手が多い。ただ『自分はここまでだ』というリミッターを自分自身で設けてしまっている。非常にもったいない。向上心、やる気があればプロや大学、社会人で活躍できる。ぜひ高い目標と志を持って取り組んでほしい。また、そういう環境を大人が用意しなければならないし、自分自身スカウトとしてそういう選手を発掘しプロに入れることで、もっとプロの存在を身近にしたい。チャンスは身近にあるんだと伝えたいですね」

十日町市出身の日本ハム・大渕隆スカウトディレクター

(取材・撮影・文/岡田浩人)