【高校野球】北信越大会 文理、明訓、中越の県勢3校が初戦突破

第129回北信越高校野球大会は12日、福井県で開幕。1回戦8試合がおこなわれ、新潟県代表の日本文理、新潟明訓、中越の3校全てが初戦を突破した。秋の北信越大会で新潟県代表の3校全てが初戦を突破するのは、2001年秋に北信越各県の代表校が3校になってから初めて。13日は準々決勝がおこなわれる。

◆北信越大会1回戦の結果◆

敦賀気比 000 000 010 |1
日本文理 201 001 10× |5

中越 010 311 000 |6
津幡 000 000 000 |0

新潟明訓 500 020 05 |12
春江工  200 000 00 | 2(8回コールド)

◆13日の準々決勝の組み合わせ◆
<福井フェニックススタジアム>
①中越(10:00)北陸(福井2位)
②日本文理(12:30)富山第一(富山1位)

<福井県営球場>
①地球環境(長野2位)(10:00)工大福井(福井1位)
②新潟明訓(12:30)東海大三(長野1位)

(取材・文/岡田浩人)


【中学野球】Kボール全国大会 新潟県選抜が2勝挙げベスト8進出

千葉県で12日から始まった「第8回U15全国KB野球秋季大会」で、新潟県選抜チームとして出場している新潟KBクラブは、1回戦で宮崎Kクラブ(宮崎)を1-0で、2回戦で彦根クラブ(滋賀)を5-4でくだし、ベスト8進出を決めた。準々決勝と準決勝は13日におこなわれる。

<1回戦>
新潟 100 000 0 | 1
宮崎 000 000 0 | 0
新潟のバッテリー)廣田、小林太-小林健

<2回戦>
新潟 020 030 |5
彦根 004 000 |4
新潟のバッテリー)玉木、小林亮、渡辺廉、小林太、小林航-小林健


全国ベスト8進出を決めた新潟KBクラブ 初の全国制覇を目指す

(文/岡田浩人 協力/新潟KBクラブ)


【BCL】「新潟に恩返しを」・・・創設1年目からの唯一の選手 稲葉大樹

10月として初めて35度を超える猛暑日を記録した10日。熱風が舞い込む見附運動公園のグラウンドに、黙々とバットを振る新潟アルビレックスBCの稲葉大樹(ひろき)の姿があった。

「お疲れ様でした」・・・若手選手たちが次々と挨拶にやってきて帰路につく中、稲葉は最後までバットを振り続けた。大粒の汗を額から滴らせながら。

8月に29歳になった。

「若い頃と違って、疲れがだんだんとれなくなってきたんですよ」
そう言って笑顔を見せる。
その分、自分の体のケアには気をつける。毎朝、目覚めた後のストレッチを欠かさない。
「昔はそんなこと、しなかったんですけどね」

新潟アルビレックスBC 稲葉大樹選手

黙々とフリーバッティングをおこなう

東京都の出身。大学を卒業しクラブチームに経た後、新潟にやってきてことしで7年目。BCリーグ初年度、新潟アルビレックスBCが創設された2007年に入団した。現役としては唯一となる「1年目から残る選手」だ。

その類稀なバットコントロールで“新潟の安打製造機”として活躍してきた。一昨年の2011年8月には月間打率.647を記録。公式戦72試合のBCリーグでシーズン100安打を記録した。NPBの公式戦144試合に換算すると「200安打」を放つ計算になる。

今シーズンは6月23日にBCリーグの選手として初めてとなる通算500安打を達成。後期は打率.403の数字を残し、野手MVPを獲得。自身2度目のシーズン100安打も記録した。

「独立リーグで7年目、選手として何千打席も立ってるし、何百球も捕ってきている。積み上げてきた経験から、若い時よりも技術は上がってきています」
稲葉は自信を持って答える。
一方で、こうも言う。
「年齢も年齢だし、そろそろ後輩たちにも自分の姿勢を伝えていかなきゃいけない。自分のことだけを考えてちゃいけない。チームのため、後輩のため、という気持ちになってきました」



入団したての若い時はひたすら練習を積み重ねた。周囲の選手は関係なく、ただがむしゃらに自分のことだけを考えてバットを振った。しかし、なかなか結果が出なかった。

入団5年目の一昨年、高校の先輩でもある橋上秀樹氏(現・巨人戦略コーチ)が監督に就任した。「人間的な成長なくして、技術の成長なし」・・・橋上氏はことあるごとに稲葉に言い続けた。

最初はその言葉の意味するところがわからなかった。しかし、生活態度を改め、まわりへの目の配り方を変えると、これまで見えていなかったものが見えてきた。投手の細かなクセ、配球の傾向・・・今まで考えなかったことを考えるようになった。そして稲葉のバッティングは大きく飛躍した。

稲葉は今、その経験を若い選手に“背中で”毎日伝えている。

人間力が高くないと、野球のいろんなことに気づくことができない。ここに早く若い選手に気づいて欲しい。僕はもうNPBに行くには厳しい年齢になってしまったけれど、若い選手も早く気づかないとNPBに行ける年齢ではなくなってしまう。練習するのは当たり前。そこにプラスして、なぜその練習が必要なのか、そこを考えないとNPBに行けないと思うんです。僕はあまり口が上手い方でもないし、ガツンと言うタイプでもない。聞いてくれば教えるけれど、気づくかどうかはその選手次第。先輩として、いい経験をしているプレーヤーとして、僕の行動やプレーで気付いてほしいんです。僕は若手に失礼にならないようにという責任感を持ってやっています」

5日から始まったリーグチャンピオンシップ(CS)。2年連続の優勝を目指す新潟アルビレックスBCは石川ミリオンスターズに2連敗を喫し、後がなくなった。石川とは一昨年のリーグCSで対戦。6点差をひっくり返され優勝を逃した。新潟にとっては「超えなければいけない」相手だ。

「去年、ことし入ってきた選手はどう思っているかわからないけど、やっぱり石川に対しては特別な思いがありますね、2年前に悔しい負け方をしたので。今、2連敗して確かに崖っぷちかもしれない。けれど守ったらダメ。攻めるしかない。攻める=失敗する、というリスクもあるけど、でも攻めなきゃ始まらない。自分たちで流れを呼び込まなければ・・・」

12日からはホームで3連戦が始まる。稲葉とチームメイトが目指してきたリーグ連覇には3連勝しか残されていない。

そして稲葉は、もう1つの“特別な思い”でこのホーム3連戦の打席に立つ。

「新潟アルビレックスBCという球団は、自分が夢に挑戦する場を与えてくれた球団です。アルビがなかったら7年前に野球を辞めていました。幸い残り3試合はホームでの試合。最高のサポーターの前で胴上げをして、何とか恩返しをしたいんです」


(取材・文・撮影/岡田浩人)


【中学野球】12日からKボール全国大会 新潟県選抜が全国制覇に挑む

「Kボール」と呼ばれるボールを使用した中学野球の全国大会「第8回全国KB野球秋季大会」が、12日から14日まで千葉県で開催される。北は北海道から南は宮崎まで全国31チームが参加。新潟県からは県選抜チーム「新潟KBクラブ」が出場し、初の全国制覇に挑む。

Kボールは、2000年にシダックスの志太勤会長と日本野球連盟の山本英一郎会長(当時)が発案。中学生年代が「軟式球」から高校で使用する「硬式球」にスムーズに移行できるよう開発された。表面の素材は軟式球と同じゴムでできているが、重さや大きさは硬式球と同じように作られている。

Kボール

新潟県選抜チーム「新潟KBクラブ」は県内の中学校の部活動に所属していた3年生選手で、7月の県大会などで活躍した選手の中から20人が選ばれた。部活動では軟式球を扱っていたが、部活動引退後はKボールでの練習を重ねてきた。投手陣では県大会で優勝した吉田中学校の渡辺廉投手を中心に継投で最少失点を目指す。打撃は例年に比べると長打力に欠けるものの、中軸を打つ新津第五中・廣田祥一朗選手などに期待がかかる。
新潟KBクラブ集合写真②()
新潟県選抜チーム「新潟KBクラブ」の選手、監督、コーチ

投手陣の柱として期待される吉田中・渡辺廉投手

中軸を任される新津第五中・廣田祥一朗選手

全国大会の前哨戦となった9月28、29日に魚沼市でおこなわれた「ベースボール・マガジン社杯 魚沼コシヒカリ大会」では、新潟KBクラブは予選で栃木・那須Kボールクラブに5-1で快勝したものの、東京選抜と1-1の引き分けに終わり、失点率で準決勝進出を逃している。

新潟KBクラブは2年前の2011年、現在は日本文理でバッテリーとして活躍する飯塚悟史投手、鎌倉航捕手(当時・直江津中学校)を中心としたチームで、全国準優勝を果たしていて、今大会は新潟県の悲願である全国優勝を目指す。1回戦は12日(土)9:00から千葉県香取市の栗源運動広場野球場で宮崎県・宮崎Kクラブと対戦する。

◆9月28、29日開催◆
ベースボール・マガジン社杯 魚沼コシヒカリ大会の結果

<Aブロック>
・新潟KBクラブ 5-1 那須Kボールクラブ
・新潟KBクラブ 1-1 東京選抜

<Bブロック>
・オール魚沼 0-2 前橋ノースフェニックス
・オール魚沼 4-0 横浜Kクラブ

オール魚沼のメンバー

<Cブロック>
・オール十日町 2-1 前橋サウススターズ
・オール十日町 0-3 埼玉オールスターズ

オール十日町のメンバー

<Dブロック>
・南魚沼オールスターズ 5-1 報徳学園中学校
・南魚沼オールスターズ 1-0 ハードボールクラブ金沢Jr

南魚沼オールスターズのメンバー

魚沼コシヒカリ大会で新潟県勢は4チームとも準決勝進出ならず
優勝は埼玉オールスターズ

(取材・撮影・文/岡田浩人 写真協力・新潟KBクラブ)


【高校野球】12日から北信越高校野球 選抜かけ文理、明訓、中越が挑む

来春の選抜甲子園出場をかけた第129回北信越高校野球大会は12日に福井県で開幕する。新潟県代表は日本文理(2季ぶり28回目)、新潟明訓(2季ぶり25回目)、中越(5季ぶり24回目)の3校が、県勢3年ぶりとなる選抜出場を目指す。

<日本文理>
今夏の県代表で甲子園に出場。初戦で大阪桐蔭に敗れたが、新チームに甲子園経験者が多く残った。投手陣は今夏からエースナンバーを背負う右腕の飯塚悟史、今春の県大会でエースナンバーを背負った左腕の小太刀緒飛の経験豊富な左右二枚がそろう。飯塚は制球難だった夏からフォームを改造し制球力が改善され、県大会の防御率が0.53と安定していた。受ける捕手・鎌倉航は中学時代から飯塚とバッテリーを組む。打線は主将の池田貴将、小林将也の右打者、飯塚と1年生・星兼太の左打者に長打力がある。エース飯塚の出来、特に立ち上がり出来が勝敗のカギを握る。3年ぶりの選抜出場を目指す。

左から飯塚悟史投手、鎌倉航捕手、小太刀緒飛投手

<新潟明訓>
昨秋からエースナンバーを背負う村山賢人、漆原大晟、2人の本格派右腕がチームを引っ張る。村山は持ち前の打たせて取る投球に磨きがかかったほか直球に力強さが増した。制球に課題があった漆原は県大会で27回2/3を投げ四死球3、防御率0.65と安定していた。2枚看板が本調子であれば失点は計算できる。攻撃面ではリードオフマンの林洸太朗、3番で主将の小池那弥が好調。先制点を奪って試合を優位に進めたい。昨秋の北信越大会では準決勝で春江工(福井)に惜敗し選抜出場を逃した。初戦はその春江工との再戦で雪辱を期す。17年ぶりの選抜出場を目指す。

左から漆原大晟投手、水沢圭太捕手、村山賢人投手

<中越>
新潟県大会ではノーシードから勝ち上がった。ベンチ入りに1年生も多く、1戦ごとに経験値を積み上げ、チーム力を増してきた。エースの星佳孝は130キロ中盤の直球と変化球をコースに丁寧に投げ分ける。粘り強い投球が持ち味で、県大会ではピンチに強く、連打を許さなかった。北信越大会でも持ち味を発揮したい。攻撃陣は主将でシュアな打撃が持ち味のの小川裕也、県大会で4割超の打率を残した1年生の斎藤颯、同じく1年生で県大会は4番に座り右打ちが得意の治田丈がクリーンアップを固める。夏は県最多の8度甲子園出場を誇るが、選抜出場はまだない。初の出場を目指す。
左から小川裕也選手、斎藤颯選手、治田丈選手

◆12日の1回戦◆
<福井フェニックススタジアム>
9:00  日本文理(新潟1位)×敦賀気比(福井4位)
11:30 中越(新潟3位)×津幡(石川1位)

<敦賀市総合運動公園>
12:30 新潟明訓(新潟2位)×春江工(福井3位)

(取材・撮影・文/岡田浩人)