【高校野球】県高野連がリーダー研修会とアナウンス・スコア講習会を実施

新潟県高野連は14日、長岡市の長岡大手高校で南支部46校の主将を対象にしたリーダー研修会と、マネージャーを対象にしたスコア・アナウンス講習会を実施した。チームをまとめるリーダーシップの育成と球場アナウンス技術の向上などを目的に毎年この時期に開催され、今年度で5回目となる。

リーダー研修会では新潟リハビリテーション病院の山本智章院長(左)が講義をおこなった

各チームの主将が参加したリーダー研修会では、新潟市の新潟リハビリテーション病院の山本智章院長が「野球選手に起きるスポーツ障害と予防」と題して講演。「練習による筋肉の疲労と回復のバランスが重要」と休息や栄養補給の必要性を説き、けがの予防を呼び掛けた。また同病院の理学療法士が正しいストレッチの方法などを身振りを交えて指導。参加者が実際に体を動かした。午後からは5つのグループに分かれ、「キャプテンとしてすべきこと」と題したグループ討議をおこなった。

正しいストレッチの動作を教わる主将たち

マネージャー91人が参加した「アナウンス・スコア講習会」では、高野連の公式記録員が一昨年秋の神宮大会決勝のVTRを見ながら、実際のスコアの付け方を指導。午後からは昨夏まで球場アナウンスをおこなってきた高校3年生の後藤彩香さん(高田商)と宮本麻衣さん(三条東)の2人がお手本を示す中、アナウンスの基本やアクセントの指導を受けた。学校名の読み上げ方やシートノック後のラインアップを読む速度、選手交代時の注意事項などを実際の試合の流れに即して、1人1人が声を出して確認していた。講師役を務めた後藤彩香さん(左・高田商3年)と宮本麻衣さん(右・三条東3年)


実際に声を出しながらアナウンスの練習をするマネージャーたち

新潟県高野連がこうしたアナウンス講習会を始めてから県内の大会での球場アナウンスの技術が飛躍的に向上し、観客の評判も上々だ。参加した丸山梨央さん(三条商2年)は「講師のお2人のアナウンスを練習試合や大会で聞いていて奇麗だなと思っていたので、生で聞くことができて勉強になった。アクセントが強くなってしまうクセがあるので直そうと思った。エコスタ(ハードオフ・エコスタジアム)でおこなわれる夏の大会の開会式でアナウンスをやりたいので選んでもらえるように頑張りたい」と感想を話した。

夏の開会式の司会や準々決勝以降のエコスタでの試合のアナウンスを務めるマネージャーは、春の大会などでのアナウンスを聞いた高野連役員などが推薦をして決められる。講師役を務めた2人はいずれもエコスタでのアナウンス経験がある。昨夏の準々決勝でアナウンスをした後藤さんは「1年生の時は下手だったが、毎日家のお風呂で発声練習をした。部員から『上手くなった。頑張れ』と言われて嬉しかった」と自身の経験を話し、後輩たちにエールを送った。2年秋の準々決勝を担当したことがある宮本さんは「アナウンスが上手くできるとチームも強くなると思う。マネージャーの力は大きい。大学進学後も野球部でマネージャーを務めたい」と笑顔を見せた。15日には新潟市で北支部45校が参加し、同様の研修がおこなわれる。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【ルートインBCL】新潟の開幕戦は新球団・福島と 4月11日にビジター郡山市で

ルートインBCリーグは9日、2015年シーズンの開幕戦日程を発表した。開幕は4月11日(土)で、新潟アルビレックスBCは新球団の福島ホープスと福島県郡山市・開成山球場で対戦する。翌12日は新潟市のハードオフ・エコスタジアムで福島を迎え撃つ。

福島は今季から新加入した球団で元大リーガーの岩村明憲選手兼任監督が率いる。新潟は今季から元近鉄のストッパー・赤堀元之監督が指揮を執る。新監督同士の対決で采配が注目される。全ての公式戦日程は今月中に決定する予定。

敵地で初陣を迎える新潟の赤堀元之新監督(中央)と新入団選手(去年12月撮影)

■8球団のホーム開幕戦日程■
<4月11日(土)>
・福島×新潟(13:00 福島・開成山)
・群馬×武蔵(13:00 群馬・敷島)
・信濃×日本ハム(13:00 長野・松本)
・富山×阪神(13:00 富山・アルペン)
・石川×福井(13:00 石川・金沢市民)

<4月12日(日)>
・新潟×福島(13:00 新潟・エコスタ)
・福井×阪神(12:00 福井・フェニスタ)

<4月18日(土)>
・武蔵×福島(13:00 埼玉・熊谷)

(取材・文/岡田浩人)


【社会人・大学】バイタルネットの練習に新潟県出身の大学3年生2人が参加

社会人野球のバイタルネット(新潟市)が5日に新潟市のハードオフ・エコスタジアムの室内練習場でおこなった練習に、新潟県出身で立正大学3年生の投手・小林洸大(20・中越高出身)と捕手・村上将紫(21・日本文理高出身)の2人が参加した。県高校球界で名を馳せた2人は「卒業後も野球を続けるなら新潟で」と話しており、今回の練習参加は2人の実力を試す意味合いも込められていた。

立正大3年の小林洸大投手 中越高時代は3年夏にエースとして県ベスト4に進出した

立正大3年の村上将紫捕手 日本文理高3年時には春夏連続で甲子園に出場した

2人はやや緊張した様子で初めてとなる社会人の練習に参加した。バイタルネットの選手に混じってウォーミングアップした後、小林が約30球のブルペン投球を披露。村上は打撃練習の後、ブルペンでバイタルネットの投手の球を受けた。バイタルネットの三富一彦監督は、バッターボックスから球筋を確認するなど2人の動きを見守った。

小林と村上は高校3年の夏の新潟大会準決勝で対戦。その時は村上が正捕手を務めた日本文理が、小林がエースを務めた中越に3対2で競り勝ち、その後甲子園出場を決めた。高校卒業後は立正大でチームメイトに。小林は左腕から繰り出される最速145キロの直球とスライダー、チェンジアップ、フォークを操り、リーグ戦での登板も経験。大型捕手の村上はリーグ戦で2試合でマスクを被った経験を持つ。現在、立正大は東都2部で春のリーグ戦で1部昇格を目指す。

小林投手の球筋をバッターボックスで確認する三富一彦監督(左)

三条市出身の小林は「社会人はレベルの違いを感じる。昨秋のリーグ戦後に左肩を痛めたが今は大丈夫。野球を続けたいが他の選択肢も含めて進路は考えているところ。野球を続けるなら地元で続けたい」と話した。見附市出身の村上は「投手の球質や制球のよさが大学生と全然違う。高校時代に地域の皆さんに応援してもらったので新潟で恩返しができれば」と語った。2人は現在大学3年生で、春から4年生になると同時に就職活動も本格化する。

2人のプレーを注視していた三富監督は「地元出身の選手でいい選手がいれば是非採用したいが、採用枠の問題や補強ポジションなどタイミングの問題もある」とした上で、「2人とも悪くない。小林はまだまだ伸びる。(巨人の)内海のようなフォームで直球の制球もいい。村上は打撃のスイングに欠点はあるがすぐに直る。スローイングもいい」と評価した。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【ルートインBCL】赤堀元之新監督が自主トレ視察 選手と初顔合わせ

ルートインBCリーグの新潟アルビレックスBCで今季から指揮を執る赤堀元之新監督(44)が4日、長岡市の室内練習場を訪れ、合同自主トレーニングに励む選手たちを初めて視察した。初対面した選手たちに「しっかりコミュニケーションを取っていきたい。けがのないよう3月(15日)のキャンプインまでに体を作ってきてほしい」と呼び掛けた。

選手たちと初対面し挨拶する赤堀元之新監督(右端)

合同自主トレには投手7人、捕手2人、野手1人の計10人が参加し、キャッチボールや軽い投げ込み、ノックなどで汗を流した。大阪から空路で新潟入りした赤堀監督は正午前に室内練習場に姿を見せ、約30分間練習の様子を視察した。選手1人1人から挨拶を受け、握手で激励した。

1人1人と握手を交わす赤堀監督

練習の様子を熱心に視察した

練習の様子を視察した赤堀監督は「みんな元気にはつらつと練習している。(3月15日のキャンプインまで)動ける体で来てほしいし、けがをしないようやってきてほしい。投手は肩を作ってきてくれればいいし、野手はバットを振ってきてくれればと思う。きょうは投手を見ることができ、ビデオで見ていたイメージ通り投げている感じで掴めてよかった。左投手の渡辺雄大、山口(祥吾)が面白いと思った。(雪が多くて)きょうは驚いたが環境は仕方がない。それぞれがキャンプインまでできる範囲のことを集中してくれたらいいと思う」と感想を述べた。

今季から野手にも挑戦したい旨の意向を赤堀監督に伝える渡辺貴洋投手(左)

打撃練習に取り組む渡辺貴洋投手

今季から投手だけでなく野手にも挑戦したい意向を赤堀監督に早速伝えた渡辺貴洋投手(胎内市出身・元巨人育成)は「初めて会うので言っておきたいと思った。『大変だけど頑張れ』と言われた。投手も野手もやるということで人の2倍も3倍もやらなければいけない。どちらも成績を残せるようがんばりたい」と意気込みを示した。

今季5年目を迎える阿部拳斗投手(中越高出身)は「(赤堀監督に)精神的なことを聞きたい。マウンド上の振る舞い方や試合の作り方など。年齢も年齢なので、今年は結果にこだわっていきたい。仕上がりは早すぎるくらい早い。6キロくらい絞った。目標はNPBに行くだけ」と決意を語った。

チームは3月15日から新潟市でキャンプ(全体練習)に入り、4月の開幕に備える。赤堀監督は2月中旬に長岡市入りし、チームに合流する予定。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


【女子野球】益田詩歩さんが球団代表に就任 新潟県初の女子プロ選手

長岡市出身で新潟県初の女子プロ野球選手として活躍した益田詩歩さん(26)が日本女子プロ野球機構の東北レイア(本拠地・宮城県仙台市)の球団代表に就任した。リーグに所属する4球団のうち東北レイアは今季はリーグ戦に参戦せず、若手の育成に力を入れながら地域に根差した女子プロ野球の底辺拡大に力を注ぐチームとなる。2010年から4年間女子プロ選手としてリーグを引っ張り、2013年シーズンで現役を引退した益田さん。フロントの立場から「女子プロ野球の環境を整え、新しいスポーツ文化を生み出したい。東北から女子野球熱の高い新潟をバックアップしたい」と意気込んでいる。

東北レイアの球団代表に就任した益田詩歩さん

Q2013年に現役を辞めた理由は?
益田「4年間プロ選手をやらせていただき、プロ野球選手という夢が叶って嬉しかった。その反面、お客さんが減っていって女子プロ野球がこのままでは未来がないのでは、というフロント的な考えをずっと思っていた。機構の会議に出た時に、スタッフの中にプロ選手がいた方がいいのではないかと思った。自分の仲間が野球をする環境、女子プロ野球を運営する環境、お客さんが女子プロ野球を楽しめる環境を変えていきたいと思った。女子プロ野球には凄く可能性を感じていて、新しいスポーツ文化を生み出すことができると思った」
Q女子プロ野球の魅力をどう感じている?
益田「女子プロ野球選手は野球が大好きで、野球ができる環境を求めてプロになっている。お金のために野球をやっていない。高校野球に近い。全力プレーで、かつ選手が楽しんでやっていることがお客さんの心を打つのではないか。選手時代から女子プロ野球はお客さんが心から笑顔になってくれる感じを受けてきた。東北で活動することでいろいろな人に元気を与えることができるのでは」
Q引退後の2014年はどうしていた?
「埼玉の2チームの試合運営に関わっていた。お客さんに対する球場内の演出など。そこでは1つの試合に対してこれだけの人、スタッフが動いているのかと実感した。選手時代は全く見えていなかった。こういうことも元選手だから現役選手に伝えられる。逆に選手の気持ちもフロントに伝えられる」

現役時代の益田選手(2013年6月) 巧打の外野手として活躍した

Q新たに東北を拠点とする球団の代表に就任した
「今季は京都フローラ、兵庫ディオーネ、埼玉アストライアの3チームが前後期の公式戦を戦う。東北レイアはしっかり次世代の選手を育成する。今まではしっかりと育成ができていなかったという反省がある。1年目は若手や高卒新入団選手など12人の選手が所属する。選手の力を伸ばし、トップ3チームに選手を供給する。東北レイアは国内の女子チームとの実戦や男子とも練習試合などをやっていきたいと考えている。2017年にはこのチームで公式戦に参戦することを決めている」
Q今後、地元・新潟との関わりは?
「新潟には大きな可能性を感じている。頓所理加さん(BBガールズ普及委員会代表)の活動をはじめ女子野球が盛ん。やっと頓所さんのサポートを全力でできる。私が15歳で長岡を出た時にはなかった女子野球熱を頓所さんが作ってくれた。これを全力でバックアップしたい。仙台と新潟は近い。新潟の女子野球熱をもっともっと熱くしたい。新潟を女子のレベルの高い県にできたらと思う。ぜひ益田を呼んでほしい」
Q改めて目標は
「女子プロ野球選手になった時、オーストラリアで岡島秀樹さんに直談判して一緒にトレーニングをさせてもらったことがある。行動力には自信がある。チャンスは誰にでもある。そういうチャンスはどんどん掴んでいってほしいと若い選手やスタッフに伝えたい。目先だけではなく先を見た時の競技レベルを上げたい。才能ある選手が入ってくるので開花させてあげたい。日本で子どもたちがもっと野球ができるような環境を作りたい。このチームならできる。東北各地で子どもたちと野球を楽しめる環境を作りたい」

<参考>
益田詩歩さんの女子プロ野球選手として歩みは、2013年3月11日の当サイト記事に詳しく掲載してあります。参考にしてください。
https://www.niigatayakyu.com/archives/117


◎お知らせ◎
県内の野球好きの小学生女子のためのイベント「BBガールズ ウィンターフェスタ2015」(主催・BBガールズ普及委員会)が2月15日(日)午前9時30分から12時30分まで、出雲崎町民体育館でおこなわれます。新潟県初の女子プロ野球選手として活躍した益田詩歩さんの野球教室もおこなわれます。参加申し込みは以下のポスターに記された方法で事務局までお申し込みください。
(注意:開始時刻が『PM9:30』と記されていますが、『AM9:30』の間違いです)


(取材・撮影・文/岡田浩人)