【ドラフト】楽天1位・荘司「常に二けた勝利を」 母校・新潟明訓訪問で決意新たに

11月のNPB(日本野球機構)ドラフト会議で楽天から1位指名を受け、入団することが決まった新潟市出身の荘司康誠投手(立教大4年)が母校の新潟明訓高校を訪れた。恩師に「常に二けた勝てる投手になりたい」とプロでの意気込みを示し、後輩たちには「“明訓”の誇りを持って頑張ろう」と呼びかけ、互いの飛躍を誓い合った。

母校・新潟明訓高校を訪問した荘司康誠
座右の銘「信は力なり」と記したサインを後輩たちに贈った

荘司投手が母校を訪れるのは契約合意後、初めて。中山道夫校長(68)から「文武両道を象徴する卒業生」と祝福されると、荘司投手は「ありがとうございます」と笑顔を見せ、「(楽天は)すごい選手がいっぱいいる。いいチームに指名をしてもらえた」とドラフトの感想を話し、「初勝利を早く挙げて、常に二けた勝てるような投手になりたい」と力を込めた。

高校時代に指導をした本間健治郎前監督(49)は「(高校入学後は)最初は内野手をやったり外野手をやったり…その中で『投手をやりたい』となった」と思い出を語り、「3年春夏の大会で君をマウンドに送りながらも初戦で敗れたことは本当に悔しくて申し訳ない気持ち。でも君は一切の言い訳や負け惜しみを言わなかった。頼もしい投手だった」と高校時代の様子を振り返った。そして「楽天でもエースは荘司という日が必ず来る。夢の舞台でしびれるような勝負を楽しんでほしい」とエールを送った。

高校時代に指導を受けた本間健治郎前監督(右)から祝福を受ける

校長室での報告を終えた荘司は「懐かしい思い。多くの人に迎えてもらってうれしい」と話し、本間前監督からの激励の言葉に「(恩師に)いい報告ができた。これからまた頑張っていい報告をしたい」と話した。座右の銘である「信は力なり」を色紙に記したことについて、「(大学2年時の)ケガをした時期に自分を信じることが原動力だった」と言葉に込めた思いを説明した。

この後、校長室から移動した際に、在校生から大きな「荘司コール」で出迎えられた。手を振って応えた荘司は「あんなに歓迎を受けると思っていなかった。プロ野球選手ってすごいんだなと、うれしかった」とはにかんだ。

校舎内を移動する際には在校生から大きな「荘司コール」で歓迎された

室内練習場で1、2年生の後輩たちと対面した荘司は「自分を信じて周りを信じてやっていくことで結果は自ずとついてくる。力を合わせれば甲子園はそう遠くない。お互い、“明訓”の誇りを持って頑張ろう」と激励した。

小西健五主将(2年)は「東京六大学の舞台で勝利することすらすごいことなのに、プロからドラフト1位で指名され入団することは本当に素晴らしいこと。荘司先輩の活躍を胸に、自分たちも日々成長し、来年の夏は絶対に甲子園に出場します」と先輩に誓った。

1、2年生の後輩野球部員たちと記念撮影

荘司は「ここで練習をしていたなと思い出深い。秋の大会も優勝している頼もしい後輩たちだと思う。明訓野球部らしい価値あるものを残してほしい」と感想を話した。

母校訪問で「初心に帰ることができた」と気持ちを新たにした荘司。「一人でいる時は気づかなかったが、多くの人が応援してくださっていることをきょう体感できた。その思いを背に、一歩一歩進んでいきたい」とこれから始まるプロ野球人生での飛躍を誓っていた。

(取材・撮影・文/岡田浩人)