【NPB】西武・滝澤「夢や目標を持って」 母校・関根学園で小学生野球教室

プロ野球・埼玉西武ライオンズの新人で上越市出身の滝澤夏央内野手(19・関根学園高)が11日、母校・関根学園高の体育館で野球部OB会主催の小学生野球教室に参加し、講師を務めた。初めてとなる講師役で、滝澤はキャッチボールや守備、打撃の基本動作を約2時間にわたって指導。子どもたちに「夢や目標を持ってほしい」と呼びかけた。

守備を指導する西武・滝澤夏央 夢を持つことの大切さを強調した

野球教室には上越市とその近郊から集まった18チーム、約100人の小学6年生が参加した。滝澤選手はキャッチボールやゴロ捕球の練習では子どもたちの輪に入り、身振りを交えて指導。ゴロ捕球では「左右に足を動かしながら、体が止まった状態で捕らないこと」「ショートバウンドはグラブを出して捕りにいくこと」など、具体的な動きを指摘しながらポイントを指導した。

打撃指導では実際に滝澤選手がバットを持ち、軟らかいボールを打って見本を見せた。小学生との対決もあり、その打球に子どもたちが歓声をあげていた。

小学生投手との対決も 子どもたちが歓声をあげていた

最後に滝澤選手は「みんなに2つ、言いたいことがある」と話し、「夢や目標は必ず持った方がいい。自分は小学生の時からずっとプロになると言ってきた」と夢の大切さを呼びかけた。そして2つめに「『運』というものはある。あいさつ、礼儀、ゴミ拾い…野球の神様は絶対に見ている。自分が一軍出場できたのも 『運』だった。日頃の行いは大切」と子どもたちに訴えた。

滝澤選手が小学生時代に所属していた三郷タイフーンの林成悟主将(大手町小6年)は「守備の時に動きながら捕ることなどが参考になった。中学でも野球を続けるのでいかしたい。(将来は)プロ野球選手になって、滝澤選手を超える選手になりたい」と感想を話した。

参加した小学生と記念撮影


◎「いい経験も悪い経験もプラスに。すべてでレベルアップし、一軍生き残りを」…来季へ意気込み語る◎

野球教室終了後、滝澤選手が取材に応じ、1年目の今季を振り返るとともに、来季への意気込みを語った。

Qプロ1年目を終えて
滝澤内野手(以下滝澤)「目標としていた支配下契約は早く達成できてすごくよかったと思う。いい経験も、悪い経験…失敗やミスも多かったので、それをプラスにいい経験として来年、再来年といかせるようにやっていきたい」

Qいい経験、悪い経験とは
滝澤「支配下契約の後の初日、2日目と、思った結果が出たと思うが、(シーズン)終盤になるにつれてけん制アウトやエラーも多くなった。自分の課題が明確に見つかった」

Q5月に支配下登録、即一軍スタメンの日を振り返って
滝澤「一日も早い支配下というのはずっと頭の中で思っていたことなので、それが達成できたことはよかった。試合に出ることが決まってからも自分の中では一軍で活躍するイメージはできていたので、緊張はしたが自分のプレーはできた」

Q今季は一軍48試合出場で、打率・224だった
滝澤「まだまだ、数字だけでなく内容もよくなかった。将来はレギュラーとして活躍することが目標だが、まだまだ達していない」

Qオフはどこを鍛えたい
滝澤「すべて。まずはケガをしない体、すべてレベルアップすること」

Qファームでは本塁打も放った。打撃面での成長は
滝澤「飛距離も出るようになり、力も少しはついたかなという自信はあるが、自分は投手が嫌がる打者を目指している。たまたま本塁打が出たが、嫌がるような安打を打つことが自分の打撃スタイルだと思うので、そこを目指して頑張る。(嫌な打者になるために)まずはたくさん打席に立つこと。(相手の一軍投手が)どういう球かを考えながら立てば自然に打てるようになると思うので、まずは経験すること」

Q守備や打撃で手応えは
滝澤「打撃も守備も走塁もまだまだだが、プロのレベルにはついていける自信はある。あとはレギュラーになるためのレベルアップをしていきたい」

Q地元で野球教室に参加したが、地元・上越市への思いは
滝澤「ずっと地元で野球をして、地元から甲子園という夢を持っていた。お世話になった関根学園でこういう野球教室をしたいという思いもあり、貢献できたのではと思う。地元の皆さんが喜んでくれるのはうれしいことでもっと頑張らなければという気持ちになる。(帰郷した時は)寒いと思ったが(笑)でも上越の空気はいいなと思った」

Q埼玉での生活は慣れたか
滝澤「もう慣れた。(寮では)トレーニングをしたい時にできる環境がある。(休日は)買い物などでリフレッシュし、オフ以外は野球漬けで幸せなこと」

Q公式戦が次々やってくる中、精神的なタフさも必要だと思うが
滝澤「よかったことも悪かったことも、そこで一回全部飲み込んで、切り替えて、次の試合で同じ活躍ができるよう、同じ失敗をしないよう、そこをモチベーションにした。1年間フルで出続ける先輩たちはすごいと思ったし、自分もそうなりたいと思った」

Q来季は松井稼頭央新監督が就任する。源田壮亮選手や外崎修汰選手とのスタメン争いになる。意気込みを
滝澤「自分の中では一軍にいつ呼ばれてもいいように活躍するイメージは持ちながら、2年目だけじゃなく3年目以降もプレーするために、すべてにおいてレベルアップすることと将来的にはレギュラーとして戦うという姿をイメージしながらもっと頑張りたい。(1月の自主トレは)源田さんと一緒に行う。一軍に生き残って活躍すること。源田さんを超えられるように頑張りたい」

(取材・撮影・文/岡田浩人)