【高校野球】決勝は日本文理×中越 夏季大会・準決勝

新潟県高野連主催の独自大会「新潟県高校夏季野球大会」は4日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで準決勝2試合が行われ、日本文理と中越が決勝戦に進んだ。日本文理は2回に先制、3回には2本の適時打などで3点を加え、公立で唯一勝ち残った村上桜ヶ丘を振り切った。中越は初回に2本塁打で5点を先行し、初のベスト4進出で勢いに乗る上越にコールド勝ちした。5日は休養日で、決勝戦は6日の10時から、同スタジアムで行われる。

準決勝①日本文理6-2村上桜ヶ丘
7回裏、日本文理が大矢怜(3年)の右線2点適時三塁打で6-2とリードを広げる


準決勝②中越7-0上越
1回裏、中越は主将・廣瀬航大(3年)の右越え2ランで先制


◎4日の準決勝の試合結果◎
<ハードオフ>
①日本文理6-2村上桜ヶ丘
→日本文理が2年連続の決勝進出

(バッテリー)
桜丘:菅原岳心-宮村翔
文理:種橋諒、渡邊京、長谷川優也-千島広大
(二塁打)
文理:中田龍希(6回)
(三塁打)
文理:大矢怜(7回)

村上桜ヶ丘(左)と日本文理


日本文理の先発①種橋諒(3年)


村上桜ヶ丘⑦菅原岳心(3年)



2回裏、日本文理は2死2塁から中田龍希(3年)の左前安打と悪送球の間に、2塁から齋藤現起(3年)が生還し、1-0と先制


3回裏、日本文理は2死2塁から長谷川優也(3年)の左前適時打で2-0に



3回裏、日本文理は2死1、2塁から千島広大(3年)の右前適時打で大矢怜(3年)が生還し、4-0に



4回表、村上桜ヶ丘は2死2塁から主将の宮村翔(3年)の中前適時打で、2塁から小田有希(2年)が生還し、1-4と3点差に



5回表から日本文理のマウンドには⑪渡邊京(3年)が上がる。2死3塁のピンチを無失点に抑え、思わずガッツポーズ


村上桜ヶ丘の⑦菅原岳心(3年)は5回裏を三者凡退に抑え、力投を続ける


日本文理は7回表から⑤長谷川優也(3年)が登板




7回表、村上桜ヶ丘は2死満塁から小田有希(2年)の三強襲適時打で山田尚幸(3年)が生還し、2-4に



7回裏、日本文理は大矢怜(3年)の右線三塁打で2人が生還し、6-2とリードを広げる


9回表の村上桜ヶ丘の攻撃を三者凡退に抑えた日本文理⑤長谷川優也(3年)


2年連続で夏の決勝進出を決めた日本文理


7年ぶりの夏の決勝進出はならなかった村上桜ヶ丘

◇日本文理・鈴木崇監督の話◇
「この舞台を用意していただいたことへの感謝と、力を発揮できる選手たちがたくましく見えた。打者は打順はあまり入れ替える方ではないが、調子のいい選手からと思い(使って)結果を残してくれた。種橋は気持ちを込めて満を持しての先発で、1点は取られたが、私の想像以上にみんながひとつになって目的を果たそうとしている。長谷川はもう1回後かなと迷う中で(7回から)行かせて、立ち上がり攻められたがその後抑えたので。最後に(打撃で)締めるなら大矢だという場面が用意された中で結果を出した大矢を褒めたい。(走塁が光っていたが)準々決勝から選手たちがよく動いている。自粛期間も含め3年間の成果だと思う。菅原くんの闘志の前でこちらもひるむ訳にはいかなかった。(決勝戦へ)日本文理として、新潟県最後の試合を3年生全員とチームとして戦わせてもらう」


②中越7-0上越(7回コールド)
→中越が2年ぶりの決勝進出

(バッテリー)

上越:山田幹汰、髙野空-山岡柊
中越:佐藤雄飛、加藤秀成-永井幸太
(二塁打)
中越:永井幸太2(1回、5回)、廣川雄己(7回)
(本塁打)
中越:廣瀬航大(1回・2ラン)、渡辺恵多(1回・3ラン)

中越の先発⑪佐藤雄飛(3年)


上越の先発⑩山田幹汰(3年)



1回裏、中越は1死1塁から主将の廣瀬航大(3年)の右越え2ランで先制



1回裏、中越は1死2、3塁から渡辺恵多(2年)の左越え3ランで5-0に


1回裏途中で上越は①髙野空(3年)に投手交代


2回表、上越は小出歩(3年)が遊内野安打と悪送球で2塁に進むも、後続が倒れ得点できず



5回裏、中越は2死2塁から渡辺恵多(2年)の左前適時打で2塁から永井幸太(3年)が生還し、6-0とリードを広げる


リードを広げられた上越。好投の髙野空(3年・中央)を中心に内野陣が集まる



6回表、上越は青木翔(3年)の左前安打と四球でチャンスをつくる


中越は6回表途中から⑱加藤秀成(2年)が登板し、後続を断つ


7回表、中越の遊撃手・渡辺恵多(2年)が三遊間の当たりをさばく


1回途中から登板した上越の①髙野空(3年)は13奪三振の好投


7回裏、中越は2死2、3塁から廣川雄己(2年)の左中間適時打で7-0としてサヨナラコールド勝ち


サヨナラ負けの瞬間、好投の上越①髙野空(3年)は呆然と立ち尽くした


2年ぶりの夏の決勝進出を決めた中越


決勝進出はならなかったが、初の夏のベスト4進出を果たした上越

◇中越・本田仁哉監督の話◇
「舞台をエコスタに変えて、非常に緊張感のある準決勝だったが、初回の廣瀬と渡辺の本塁打は勇気づける2本だった。(その後は投手戦になったが)最初の5点を安心感に変えず、目の前のことを雑にならず丁寧にやっていこうと話した。佐藤雄飛が緩むことなく試合をつくってくれたことが2番目の勝因。(打線は)何とか次の1点をと思っていたが、(髙野投手の)質のいい直球と制球でなかなか点が取れなかった。(決勝戦へ)こういう大きな出来事、5月20日に甲子園が中止となり、3年生はここまで大きな出来事を乗り越えてきた。もちろんここまで来たら優勝したい、独自大会開催が決まってから優勝の2文字を言い合ってきたが、改めてあさってこのグラウンドで好きな野球が大切な仲間とできること、素晴らしいチームと戦えることに喜びと感謝をもって精いっぱい尽くしたい。(相手は日本文理だが)投手力、攻撃力、素晴らしい力を持っているチーム。今年だけじゃなく、毎年負けないぞという気持ちで、ありがたい存在なのが日本文理。こういう年の決勝戦で戦えることを喜びに感じて、思い切って悔いの残らないプレーをしていきたい」


◎6日(木)の決勝戦◎
<ハードオフ>

日本文理(10:00)中越

(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵 撮影/嶋田健一)