【高校野球】加茂暁星・荒木「楽しみ」 捕手で強肩アピールも プロ志望合同練習会に挑む

日本野球機構(NPB)は24日、日本高野連と開催する「プロ志望高校生合同練習会」の参加予定選手を発表した。新潟県内からは加茂暁星3年の荒木友斗選手(17)が9月5、6日に東京ドームでの練習会に参加する。1年生の夏から主軸を打ち、強打が持ち味の荒木は練習会では「長打力をアピールしたい」と意気込む。さらに強肩をアピールするために高校時代はプレーしていなかった「捕手」としてエントリーする。25日に取材に応じた荒木は「全国のレベルの高い選手たちと一緒にプレーできることが楽しみ」と目を輝かせている。
“打撃の神様”と呼ばれた故・川上哲治氏が揮ごうした「一打一生」の碑の前で活躍を誓う加茂暁星・荒木友斗(田上町・羽生田球場)

新型コロナウイルスの感染拡大で夏の甲子園大会が中止となったことを受け、初めて開催される「プロ志望高校生合同練習会」に、荒木が県内から唯一参加する。コロナによる休校あけの6月以降、荒木を視察するため複数のNPB球団のスカウトが来県していた。学校関係者の配慮で荒木本人には伝えられていなかったが、夏季大会後に知らされた荒木は「子どもの頃からプロには憧れがあった。スカウトが自分を見に来ていることを知り、挑戦してみたいと思った」とプロ志望届提出に至った心境を話す。

4歳上の兄・陵太さん(日本文理高卒-新潟医療福祉大4年)の影響で「保育園の頃からキャッチボールを始めた」という荒木。小学1年から地元の少年野球チームに入り、中学では硬式の新津五泉村松シニアで活躍。中3時には夏の日本選手権でベスト16に進出し、台湾で開催された「日台国際野球大会」で新潟選抜の四番打者に抜てきされ、初優勝に貢献した。加茂暁星では1年夏から四番打者として起用されるなど、中心選手として活躍した。

高校通算本塁打は30本ほど。「遠くへ飛ばす長打力と併せ、内角と外角に上手く合わせる柔らかい打撃が持ち味」(押切智直顧問)。高校では遠投100メートルという強肩をいかして遊撃手に。今夏の夏季大会は4回戦で優勝した中越に3対4で惜敗。荒木は「悔しかった」と振り返るが、高校野球を通して「積極的に人とコミュニケーションを取れるようになった。自分が思っていること、聞きたいことを素直に話せるようになった」と人間的に成長したことを実感している。

長打力と柔らかい打撃が持ち味

現在は1、2年生の後輩たちと一緒に連日汗を流し、練習会に備える。その中で高校時代にはプレーしていなかった「捕手」としての練習を繰り返している。強肩をアピールすることで、NPB入りへの可能性が少しでも広がるならばと挑戦を決めた。「小学6年生以来」という捕手のポジションだが、25日の守備練習ではスムーズな送球を披露。東京ドームではそのポテンシャルの高さを示すつもりだ。

「プロ野球では右打者の飛ばせる選手…日本ハムの中田翔選手、西武の中村剛也選手や山川穂高選手が憧れ」と話す荒木。練習会へ向けて「全国のレベルの高い選手たちと一緒にプレーできることが楽しみ。自分の力を出し切りたい」と意気込んでいる。

後輩たちに混じって、捕手の練習を繰り返している

(取材・撮影・文/岡田浩人)