【高校野球】この春注目の新戦力(下)加茂暁星・遠藤莞生 期待の逸材が新たな歴史刻む

夏の前哨戦となる「第132回北信越高校野球・新潟県大会」(春季県大会)が29日に開幕しました。そこでこの春初めてベンチ入りした1、2年生のうち注目の新戦力を(上)(中)(下)の3回にわたって紹介します。第3回は加茂暁星高校の1年生・遠藤莞生(かんき)選手です。


がっしりとした下半身を軸にして、鋭いスイングが繰り出される。入学から間もないが、既に練習試合では四番打者として起用されているのが加茂暁星の遠藤莞生である。加茂市から約90キロ離れた南魚沼市大和の出身。大和中学校ではエース。昨秋はKボール県選抜メンバーに選ばれ、三番打者としても長打力を発揮した。去年春、神奈川県からやって来た押切智直監督がその将来性に惚れ込んだ逸材。遠藤自身も「まだ甲子園に行ったことがない高校なので、初出場に貢献できるよう頑張りたい」と目を輝かせる。

長打力が魅力の加茂暁星1年・遠藤莞生選手 雪深い南魚沼市大和の出身

26日、三条市で新潟県央工を相手におこなわれた練習試合。176センチ、72キロの堂々とした体格の1年生・遠藤が四番打者として起用された。レフト線ギリギリに特大のファールを放ったその長打力に、ベンチに座る押切監督がうなづいた。「四番起用は大きく育てたいから。まだ中学生だったので高校野球を理解できていない部分はあるが、順調に成長してくれれば」と期待を寄せる。

昨秋2、3年生の部員10人で戦った加茂暁星。去年春、神奈川県から日体大出身の押切監督を招へいし、本格的に野球部強化に乗り出した。昨夏は3回戦で敗れたが、秋は注目の右腕・森山涼を擁しベスト8に進出。課題だった選手層の薄さも、この春、東京出身の6人を含む1年生部員21人が入部し活気を増している。学校の敷地にはこれまであった合宿所をリフォームした野球部寮が完成。その寮に遠藤をはじめ11人が入った。

加茂暁星を選択した理由を遠藤はこう説明する。「監督から『これから暁星の野球部を強くしたい』という思いが伝わってきた。Kボールの時の仲間も暁星に行く、東京からも選手が来る・・・このチームならいい野球ができる、新しい歴史を作りたいと思った。あえて親元を離れることで成長できると感じた」。軟式の出身だが、「打撃には自信がある」と話す通り、硬式にもすぐに対応した。1年生ながらチーム一の長打力を誇り、守っても強肩をいかしライトの守備位置から矢のような返球を見せる。グラウンドで見せるその存在感は並の1年生ではない。

「大きく育てたい」と押切監督が期待する逸材 1年生らしからぬ風格がある

春の大会では早速、四番打者としてデビューする予定。遠藤自身、「2、3年生がいる中で4番に座ることはプレッシャーがあるが、上位打線にいることを楽しんで野球をやりたい」と自然体で臨む構えだ。

押切監督は「ウチは今まで低迷していた部分があるので、春は頑張ってシード権の四隅を取りたい。その上で夏に勝負したい」と初の甲子園出場を見据える。遠藤も「去年秋は人数が少ない中でベスト8まで行った。この夏に甲子園に行けるよう、そしてそこに貢献できるように頑張りたい」と意気込む。最終目標は「プロも含む上のレベルで野球をやりたい」と話す遠藤。期待の長距離砲が刻む成長の姿が、新潟県の高校野球史の新たな轍となる予感がする。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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