【高校野球】帝京長岡が春初V 逆転で加茂暁星くだす 春季県大会決勝

高校野球の春季県大会「第148回北信越高校野球・新潟県大会」は12日、長岡市悠久山球場で決勝が行われ、帝京長岡が12対7で加茂暁星に逆転勝ちし優勝した。帝京長岡は中盤までに4点のリードを許したが、終盤に逆転した。1992年秋以来2回目の優勝で、春は初めての優勝となる。帝京長岡は6月3日から石川県で開催される北信越大会に出場する。

帝京長岡12-7加茂暁星…初めてとなる春の優勝を決め、マウンド上で喜ぶ帝京長岡の選手たち

◎12日の決勝の試合結果◎
<悠久山>
帝京長岡12-7加茂暁星
→帝京長岡は1992年秋以来2回目の優勝(春は初優勝)


(バッテリー)
帝京:茨木佑太、石川恭梧、石井洸希-竹部新之介
暁星:真保龍聖、横堀公紀、鈴木賢太郎、小柳煌、柴田光伯、栗林倫乃-小杉瑠之介
(二塁打)
帝京:木村昂暉2(1回、9回)、茨木佑太(5回)、竹部新之介(9回)
暁星:柴田光伯(3回)、髙橋悠雅(3回)、大瀧稜久(7回)
(本塁打)
暁星:髙橋悠雅(5回・2ラン)

両校ともに春の初優勝を懸けた戦いに


加茂暁星の先発は準決勝に続き①真保龍聖(2年)




1回表、帝京長岡が2死2塁から四番・服部太海(3年)の右前適時打で先制


帝京長岡の先発は①茨木佑太(2年)


1回裏、柴田光伯(3年)の適時打で同点に追いついた加茂暁星は五番・髙橋悠雅(3年)の左前適時打で2-1と逆転


3回表、相手失策で同点に追いついた帝京長岡は2死満塁から六番・川瀬貫太(3年)の二内野安打で3-2と逆転


3回裏、加茂暁星は1死2、3塁から四番・柴田光伯(3年)の中越え適時二塁打で4-3と逆転。加茂暁星はこの回、さらに1点を追加


5回裏、加茂暁星は2死1塁から髙橋悠雅(3年)が左越え2ランを放ち、7-3に


8回表、帝京長岡は3四死球で無死満塁とし、竹部新之助(3年)の犠飛に続き、川瀬貫太(3年)の犠飛で浮ヶ谷航平(3年)が生還し、6-7と1点差に


8回途中から登板した加茂暁星の主将⑧柴田光伯(3年)



9回表、帝京長岡は木村昂暉(2年)の適時二塁打で同点に追いついた後、1死2、3塁から浮ヶ谷航平(3年)の一ゴロを一塁手が本塁へ送球、捕手が捕球失策で2者が生還し、9-7と逆転



春初優勝を決め、喜ぶ帝京長岡の選手たち…優勝の瞬間、元日本ハム投手の芝草宇宙監督(右)は目を潤ませた

◇帝京長岡・芝草宇宙監督の話◇
「最後はチームのみんなに感動させられた。最後の粘りをずっと練習、練習試合からやってきた。最後の最後に出せて、この大会で成長してくれた。茨木に関しては中1日でまだ2年生なので球数で交代させた。ほかの投手も含め、公式戦で登板させなければ成長できない。こういう緊張感のある大会で選手たちが力を発揮できて成長できた。茨木は苦しんだと思うが、目指しているところもある。きょうの内容ではまだまだやっていることができていないと話した。悔しい思いもあると思うので夏に繋げて頑張ってくれると思う。劣勢だったが、6回から9回までの4イニングで絶対に勝てると話した。そこに選手が応えてくれた。(北信越大会への意気込みは)新潟県の代表として誇りを持ってプレーさせたい。新潟県の野球を見せる大会にしたい」

◇帝京長岡・浮ヶ谷航平選手の話◇
「去年(夏)サヨナラ負けで悔しい思いをしたので、きょうは負けている展開だったが絶対に勝つんだという気持ちでやって、全員で得点につながって勝てたのでうれしい。(今大会2本塁打で)準決勝では(四球などで)1打席しか打てる機会がなかったが、その中で自分が出塁して後ろの打者が自分を返してくれた。自分が出塁してチャンスを作ることができるように考えていた。(9回の勝ち越しとなる一塁ゴロ、捕手捕球失策は)いいところで自分に回ってきたので絶対返そうと思った。外のスライダーを打ち損じてしまったが、しっかり振り切った結果。(春の打撃での収穫は)練習試合でレベルの高い投手とも対戦し、真っすぐに対しては自信があったが、変化球を打ち切れない部分があったが、今大会の2本塁打は変化球で収穫だった。(北信越大会では)新潟県代表として他県の強いチームに勝ち切れるようにしたい」

◇帝京長岡・茨木祐太投手の話◇
「もともと決勝で投げることを言われてきたが、失点をしてしまい悔しい思いが大きい。追い込んでから変化球を安打にされた。自分のストレートに自信を持たなければいけない。変化球に頼ってしまい反省点。ストレートで打ち取れる投手にならなければ。(北信越大会へ)きょうの内容で課題がかなり出た。ストレートの球速、キレを上げなければ。状態を上げて、いい形で夏に臨めるようにしたい」

◆加茂暁星・押切智直監督の話◆
「真保が4~5回くらいまで投げてくれればと思ったが、きのうの準決勝でも7回まで投げていたので、球が走っていなかった。あとはこういう舞台で気持ちの部分でフワフワしている選手が何人かいた。公式戦でいい経験になり、いろいろな収穫があった。プラスアルファの部分、心構えなどが公式戦で露骨に出た。それを持ち帰って夏までに修正したい。(夏までへの課題は)終盤に差し掛かるまではよかった。投手の制球や気持ちの部分を夏までに修正できれば。バッテリーが課題」

◆加茂暁星・柴田光伯主将の話◆
「いい形で得点できて4点リードをしていたが、選手には点数を取られるかもしれないが何があっても落ち着いてやろうと話していた。1点差で自分がマウンドに上がったが、ああいう結果になり悔しい。決勝や優勝という意識は特になく、自分の役割を貫こうと決めていたのでそういう気持ちでマウンドに上がった。(夏に向けて)秋の結果からこの春の結果を見るとすごく成長したなと思うが、夏に甲子園に行ける学校は1校だけ。2位では行けない。あと1勝の壁がすごく厚いと思うので、そこを乗り越えるためチームでしっかり言い合って、意識を高くやっていきたい」

優勝した帝京長岡は6月3日から石川県で開催される北信越大会に出場する


準優勝の加茂暁星…昨秋の3回戦コールド負けから一冬を越えて、今春はシード校を次々撃破した

新潟県高野連は今夏の「第105回選手権記念新潟大会の」のシード校を発表した。第1シードは春優勝の帝京長岡、第2シードは準優勝の加茂暁星で、第3シード以降は昨秋と今春の県大会の上位チームに与えられるシードポイントを合算した結果、第3シードは中越、第4シードは日本文理、第5シードは新潟明訓、東京学館新潟、北越、高田北城となった。

(取材・撮影・文/岡田浩人)