【大学野球】鵜瀬監督「春から優勝狙う」 新潟医療福祉大が初練習

大学野球の関甲新学生野球連盟1部に所属する新潟医療福祉大が7日、新潟市北区にある同大の屋内練習場で初練習を行った。先月就任した鵜瀬亮一監督(39)が「優勝を狙って春からやっていきたい」と部員に今季の抱負を語り、新監督として昨秋のリーグ戦4位からのさらなる飛躍を誓った。

初練習で部員に今季の目標を語る鵜瀬亮一監督(中央) 写真左端は佐藤和也総監督

初練習を前に鵜瀬亮一監督が部員にあいさつし、「新潟の地にこれだけ多くの部員が集まってくれているのは、この野球部が野球だけでなくいろいろな価値観を持っている『豊かな』野球部だからだと思う。年間を通して子どもたちへの野球教室をやったり、これからの野球界を背負う指導者の育成をやっている。単に強いだけでなく新潟県に必要とされる集団になりつつあるから」と野球部の存在意義を語り、「佐藤総監督が作り上げた環境を益々発展させられるように力を合わせてやっていきたい」と新たな年の目標を掲げた。

その上で「リーグ戦、新人戦、オータムカップで一生懸命戦い、これまでの歴史を塗り替えたい。監督として初シーズンで分からないことはあるが、経験不足や若さを言い訳にして春のシーズンを戦うことは佐藤総監督や学生に失礼。優勝を狙って春からやっていきたい」と力強く意気込みを語った。

佐藤和也総監督は「総監督になり、1つは今まではAチームの40人の指導が中心だったが、Bチームも含め170人余りにアドバイスする立場をやっていきたい。もう1つは球数制限や働き方改革を含め、今までの指導が難しくなり、指導者が少し自信を失っているが、世の中に出たら『指示』はあるが『指導』はなくなる。最後に指導をしてもらえる場所が大学だと思う。この大学で武器を持ち、胸を張って世の中に出ていける時間を過ごしてほしい。世の中が弱腰になっているが、自分自身が力をつけなければいけない。残りの時間で大学生活を実り多いものにすることは可能」と呼びかけた。

打撃練習をする副主将の荒木陵太(3年・日本文理)

その後、部員たちは3班に分かれて練習を開始。打撃練習で快音を響かせた中心打者で副主将の荒木陵太(3年・日本文理)は「最高学年として個人としてもチームとしても成績を残さなければ(卒業後も)上でプレーできない。例年とは違う気持ち」と話しながらも、「第一にチームの勝利に貢献したい。春は投手陣の仕上がりもあり、毎年上位の白鷗大、上武大に打ち勝たなければ。新監督になり打順がどこになるかわからないが、やることは変わらない」と力を込めた。

チームはAチームが2月末から3月上旬まで佐賀県でキャンプを行い、オープン戦などで実戦感覚を養い、4月開幕の春季リーグ戦に備える。


◎フォーム改造でラストイヤーに懸ける大型左腕・バンゴーゼム◎

ラストイヤーに臨む3年生の中で、首脳陣が「化けてほしい」と期待を寄せるのが左腕のバンゴーゼム高(3年・帝京長岡)である。12月上旬にはこの時期では異例となる4日間の「宮崎合宿」を敢行し、現地でトレーナーなどから体の使い方などの指導を受け、フォームの見直しを図った。

ラストイヤーでの飛躍が期待されるバンゴーゼム高(3年・帝京長岡)

バンゴーゼムは帝京長岡高校3年時にエースとして夏の新潟大会でベスト8に進出。185センチ88キロの大型左腕として新潟医療福祉大入学時から期待を集めてきた。ただ、これまでは左ひじの使い方や体重移動などに課題があり、公式戦では3年となった昨春のリーグ戦で2試合の登板にとどまる。2回を投げ被安打1、四死球2、奪三振2、自責点0の数字が残っている。

今回の宮崎合宿は著名なトレーナーなどから体の使い方などについて指導を受けた。バンゴーゼムは「チューブやバランスボールを使ったトレーニング、足の運び方などフォーム改善につながるとレーニングを行ってきた。普段使っていない部分を鍛えることができ、特に足の裏が疲れた」と振り返る。足の使い方に工夫がみられるフォームとなり、課題の制球にも一定の手応えを掴んだ。投球練習では140キロ台中盤の直球を投げ込むことができるようになった。

左腕から投げ込む力のある直球が武器。フォーム改善でさらなる飛躍が期待される

全国高校サッカー選手権で帝京長岡の後輩たちが準決勝に進出し、その活躍に胸を躍らせている。「(サッカー部の)古沢徹監督は2年間担任だった。後輩たちの頑張りは刺激になる」と語る。

大学野球もあっと言う間に最終学年に突入する。「最後はやるしかない。(宮崎合宿で)教えてもらったことを公式戦で出せるようにしたい。今は気持ちが充実してワクワクしている。目標はわかっていても打たれない直球を投げ込むこと。優勝を目指して頑張りたい」。キャンプ、オープン戦で成果を発揮し、リーグ戦で自信を持って真ウドに登るつもりだ。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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