【高校野球】スポーツマンシップの大切さを学ぶ

新潟県高野連は18日、新潟市のユニゾンプラザで、加盟校の監督や部長ら県内の指導者を対象に、スポーツマンシップについて学んでもらおうと、外部講師2人を招いて「スポーツマンシップ講演会」を開催した。

初めて開催された「スポーツマンシップ講演会」

講演会は春の県大会の組み合わせ抽選後、新潟市のユニゾンプラザで開かれ、監督や部長ら130人が参加した。

はじめに、日本スポーツマンシップ協会の中村聡宏代表理事が「今こそスポーツマンシップを考える」と題して講演。昨年は日大アメフト部の悪質なタックル問題など「スポーツは良いものなのに、残念な文脈で取り上げられたケースがあった」とした上で、「今こそスポーツマンシップを考え直そう」と呼びかけた。

講演した日本スポーツマンシップ協会の中村聡宏代表理事

中村氏は「相手や選手を『尊重』する気持ち、自分を律する『勇気』や『覚悟』、その両方を持ち合わせている人を『スポーツマン』と呼ぶ」と定義。「その人がスポーツマンかどうかがわかる瞬間がある。それは負けた時」とし、「他人のせいにしない、勝者を称えることができる、敗因をきちんと分析できる」ことが大切と説いた。

その上で、中村氏は若きプレーヤーが目指すべきスポーツマンシップとして
①野球を、スポーツを、とことん楽しもう
②勝利を目指して、準備から本番まで全力を尽くそう
③他人を尊重し、多様性を許容しよう
④決まったルールを尊重し、その歴史的背景を理解しよう
⑤勇気を出して、チャレンジし続けよう
⑥皆さん自身がスポーツの良さを伝える伝道師になろう。その自覚を持ってプレー、発言、行動、実戦しよう
という6項目を掲げた

そしてウルグアイのムヒカ元大統領の「本当のリーダーとは自分を遥かに越えるような人材を残すような人物」との言葉で講演を締めくくった。

講演したアジア野球連盟の小山克仁審判長

続いて講演したアジア野球連盟の小山克仁審判長は「マスク越しに見た世界の野球」と題し、海外の野球事情について自身の経験をもとに話した。

小山氏は「アメリカではベースボールは人生を教える、ルールを守る、負けて学ぶスポーツ」と話し、「社会から信頼される仲間を育ててほしい」と呼びかけた。

そして、中国の思想家・孔子の教えを例えに「人は自分だけよければいいという生き方ではダメ。野球に置き換えれば、自分たちさえよければいいという野球をしてはダメ。相手から認められる勝ち方をしなければいけない」と話し、「わざとファウルを打って相手の球数を増やそうとすること、二塁走者がサイン盗みをすることは許してはいけない。王道を歩かせなければいけない」と訴えた。

続いて講演したアジア野球連盟の小山克仁審判長は「マスク越しに見た世界の野球」と題し、海外の野球事情について自身の経験をもとに話した。

講演後、小山氏は「新潟県には審判講習会で来ていて縁があった」と話し、中村氏は「こうしたことがきっかけで議論が生まれることが大切」とスポーツマンシップを考える今後の取り組みに期待を寄せた。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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