【高校野球】監督部会が岐阜・福島と交流 主将のリーダー研修会では「全力プレー」誓う

新潟県高野連・監督部会は10日と11日、長岡市で「監督・コーチ研修会」と「リーダー研修会」を開催した。10日の「監督・コーチ研修会」には県内の監督、コーチ、部長約80人が参加したほか、昨年度(今年1月)から交流が始まった岐阜県の指導者36人と、今年度初めて参加した福島県の指導者4人の計120人が一堂に介し、野球人口減少が叫ばれる中での高校野球が抱える課題解決などについて話し合った。また11日の「リーダー研修会」には県内の高校の主将89人が参加し、部員をまとめる方法や高校野球を活性化するための案を出し合った。

10日の監督・コーチ研修会に参加した新潟、岐阜、福島の指導者


11日のリーダー研修会で意見を述べ合う各高校の主将

10日に開催された「監督・コーチ研修会」では参加した120人が10班に分かれ、テーマを決めずにフリートークで意見交換。新潟、岐阜、福島のそれぞれが共通に抱える課題や小中高校の連携など、具体的な事例も交えて意見が交わされた。甲子園常連校に対し他校がどう立ち向かっていくのかや秋の県大会のあり方についてなども意見交換がなされたという。

岐阜・土岐紅陵高校の杉原宗監督は「地方で抱えている課題は似ている。高野連がやることと現場がやることはそれぞれをしっかりと取り組みたい。新潟は『新潟メソッド』という広い視点での取り組みがあり、小学生から目を向けていて実践していることが素晴らしい。そこはまだ岐阜は足りていない。共有できてよかった」と感想を話した。また今回初参加の福島・大沼高校の佐々木寛太監督は「新潟や岐阜の高校野球の取り組みや視点を学ぼうと参加した。野球のあり方を改めて考えさせられた。小中高校の連携が必要だと感じた」と話した。
監督・コーチ研修会では120人が10班に分かれフリートークで意見交換

11日に開催された「リーダー研修会」では新潟県高野連の島田修幹事(前専務理事)が「スポーツの力」と題して参加者に講演。高校野球を取り巻く現状を紹介した上で、「スポーツマンシップとは何か。野球というスポーツが持続可能であるためにどう考えたらいいか」について、「身近なところから実践していこう」と呼びかけた。

その後の分科会では8つのグループに分かれ、それぞれが抱えるチームをまとめる際の悩みや解決法などを話し合った。主将からは「やる気のない選手にやる気を出させるためにはどうしたらいいか」などの悩みが出され、「自分で気づくまで待つ」「強制ではなく周りが引っ張り上げる雰囲気作りが大切」などの意見が出された。

また午後からは北支部、南支部に分かれ、野球人口の減少に対し、新潟県や各支部として行動できる統一した目標を決めようと話し合った。北支部は「球場内では全力疾走。球場外ではゴミ拾いや公共交通機関でのマナーを守ること。そして小中学生と交流すること」、南支部では「全力疾走と全力プレーで高校球児が憧れであり続けるようにチームで徹底する」と目標を定めた。

リーダー研修会でグループごとに意見を出し合う各校の主将たち


支部の目標を決めた後、各校の主将は円陣を組み気合いを入れた

新潟第一の高橋リオ主将は「練習方法だけでもチーム内にいろいろな意見が出る中で、チームのまとめ方どどうすればよいのかが参考になった。一番多い意見を優先するのではなく、みんなが納得できる意見でまとめられるようにしたい。チームは来春に向けて1人1人が考えて動くことができるチームにしたい」と感想を話した。また中条の赤塚紳主将は「主将として自らが率先して行動して、ついてきてもらう主将じゃなければ部員たちも動かないと感じた。残された春と夏の大会では、あきらめずひたむきなプレーで1つでも多くの試合で勝ちたい」と意気込みを話した。

新潟県高野連の監督部会長である長岡大手・鈴木春樹監督は「2日間、野球のあり方について中身のある話ができた。ただこれからが大事で、これを今後どういかすかが大切になる」と話し、他県との交流を今後も継続していく考えを示した。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


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