【高校野球】日本文理が秋2年連続優勝 第3代表は関根学園 秋季県大会

第135回北信越高校野球・新潟県大会は20日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで決勝戦がおこなわれ、日本文理が村上桜ヶ丘をくだし、秋の県大会で2年連続優勝を果たした。第3代表決定戦は関根学園が上越をくだし、初の北信越大会出場を決めた。新潟県代表として日本文理(去年秋以来32回目)、村上桜ヶ丘(去年秋以来6回目)、関根学園(初出場)の3校が出場する北信越大会は10月15日から長野県で開幕する。

決勝戦 日本文理14-0村上桜ヶ丘
7回を投げ被安打2、無失点と好投した日本文理⑩西村勇輝投手(2年)

◎20日の試合結果◎
<ハードオフ>
[決勝戦]
日本文理14-0村上桜ヶ丘
日本文理 031 100 333 =14
村上桜丘 000 000 000 =0
→日本文理が秋2年連続優勝
(バッテリー)
日本文理:西村、鈴木-川村
村上桜丘:佐藤、島田-久志田
(二塁打)
日本文理:川村(3回)
(三塁打)
日本文理:堤(8回)

◎戦評◎
雨中の決勝となったが、日本文理が15安打14得点で大勝した。村上桜ヶ丘は持ち前の粘りを発揮できなかった。
日本文理は2回、満塁から八番・笠原の犠飛で先制。さらに押し出し死球と二番・寺杣の犠飛でこの回計3点。3回にも笠原の犠飛で、4回には暴投で追加点を挙げた。
反撃したい村上桜ヶ丘だったが、5回まで日本文理の先発・西村の前に無安打。6回に久志田が初安打を放ったが得点に結び付けられない。
日本文理は7回には六番・永田の2点適時打などで3点を追加しダメ押し。8回に3点、9回には3連続押し出し四球で3点を追加。大量14得点を挙げた。村上桜ヶ丘は日本文理の2投手に2安打に封じ込められた。

村上桜ヶ丘の先発⑩佐藤嵩投手(2年)


2回表、日本文理が八番・笠原遥也主将(2年)の左犠飛で先制


6回裏、村上桜ヶ丘は三番・久志田裕太選手(2年)のサード内野安打が初安打となる


7回表、日本文理が六番・永田翔也選手(2年)の中前2点適時打などで3点を追加


7回途中から登板した村上桜ヶ丘⑪島田人和投手(2年)


8回から登板した日本文理⑪鈴木裕太投手(1年) 2回無失点で試合を締めた


2年連続で秋の優勝旗を手にした日本文理・笠原主将


準優勝表彰を受け取る村上桜ヶ丘・若林大成主将

◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「第1段階はクリアできた。ただ北信越が本番。これから選手がどう頑張ってくれるか、監督として楽しみにしている。(西村連投の意図は)北信越大会は土日の連投になる。それを経験させようと思った。雨でマウンドがぬかるんでいたがそれも経験。秋は天候不順のことが多い。こういう試合もある。西村は丁寧に投げた。ただ先頭に2人四球を出したのはダメ。それでもこの天候の中でよく投げた。(打撃は)序盤は残塁が多かったが、走者三塁からの外野フライは評価していい。ああいうふうに得点を取るのは大事。先川の無安打が不満。何とか北信越までに打撃を取り戻してほしい。もっと左右に打ち分けられる選手。大会を通して投手陣は合格点、打撃はまだタイムリーがないことが不満。(北信越までの課題は)投手力はもう1段の制球力を。まだまだ甘い。勝負所での変化球のキレをアップすれば3点には抑えられる投手力だと思う。打撃は好球必打、ボールを選んでストライクを打つ打撃を。いい投手はそう甘い球は投げてくれない。(去年秋は悔しい北信越だったが)何としても優勝して神宮大会へ行こうと選手は思っている。監督としても何とか引っ張って行ってもらいたい(笑)」

◇日本文理・笠原遥也主将の話◇
「県優勝は通過点だが、それをしっかりできたことは嬉しい。残塁とフライアウトが多かったので北信越へ修正したい。(自身は犠飛2本で)最低限1点はほしかった場面なので、最低限のことはできた。(北信越大会へは)チームとしてやるべきことをしっかりやっていけばチーム力も上がっていく。(去年秋の悔しさを経験しているが)あと少しというところまで来て負けた。最後の9回には勝っている、勝ちにこだわってやっていきたい」

◇日本文理・西村勇輝投手の話◇
「(先発は)きのう言われた。しっかり点を取られないように投げようと思った。要所要所で打たせて取ることができ、三振も取ることができた。打線の援護で楽になった。(今大会で自信をつけたところは)こうやって勝てるようになり、そこは継続して長野(北信越大会)でも勝てるようにしたい。(夏の長岡大手戦ではブルペン投球で右脇腹を痛め登板回避したが)あそこで投げられず、結果負けてしまい、自分に責任があると思った。そういうことが二度とないよう自分が投げなければという気持ちを持っている。気持ちの弱さもあったと思う。(きょうは連投だったが)気持ちの強さ、そういう投球ができたと思う。(北信越は)投手が点を取られなければ打線が援護してくれる。点を取られないよう、勝てる投球をしたい」

◆村上桜ヶ丘・松田忍監督の話◆
「大人と子どもだった。気持ちがこんなに弱いと思わなかった。向かっていく気持ちがなかった。力の違いは仕方ないにしても、恥ずかしいゲームをしてしまった。点数の差ではなく、もっと野球を知り、気持ちでやるんだよと常に言ってきたが・・・。展開的に序盤から失点が多過ぎた。2アウトからの失点が多く、技術だけでなく精神的な弱さを感じる。チームとして戦う部分はかなり求めてやってきて考え方もわかってきたと思うが、チームプレーに反映できなかった。幸い北信越まで時間があるので、そこをレベルアップして臨みたいと思う。(エースの)遠藤は無理させたくない状態だったので。今まではチームとしての目標を与えてきたが、これからは個を強くしないとダメ。個の目標をしっかり明確にして必死に取り組むことで何とか補いたい。これだけ北信越まで長い時間があるのでチームを立て直したい」

◆村上桜ヶ丘・若林大成主将の話◆
「守備でも打撃でも思うようにいかず、自分のエラーで無駄な失点を与えたことも相手にスキを与えた。もっと練習に緊張感を持ってやっていきたい。点数の取られ方がよくなかった。試合前は絶対に優勝するという気持ちがあったが、途中まで無安打であきらめの気持ちが出た。自分たちの甘さだった。最初の3点は大丈夫だったが、その後の失点の仕方が悪く、流れが崩れた。相手投手は自分の投球ができていた。見習わなければいけない。簡単にアウトになり粘り強さがまだ足りないと思った。北信越までまだ時間があるのでもっとレベルを上げたい。また北信越の決勝で文理と戦うことを目標にして、個人のレベルをアップさせる練習に励みたい」

21回目の優勝を果たした日本文理 北信越大会で3年ぶりのセンバツ出場を目指す


準優勝の村上桜ヶ丘 北信越大会までのレベルアップを誓う


[第3代表決定戦]
関根学園13-6上越(7回コールド)
関根 204 105 1 =13
上越 112 110 0 =6
→関根学園が北信越大会初出場
(バッテリー)
関根:斉藤倭、西本、平野-藤澤
上越:高波、堀田-二井
(二塁打)
関根:荒井(1回)、水井(4回)、五十嵐(7回)
上越:島田(1回)、二井(2回)
(三塁打)
関根:水井(1回)
上越:大平(3回)、大竹悠(4回)
(本塁打)
関根:中田(6回・2点R)

◎戦評◎
中盤まで競り合いが続いたが、6回に5点を奪った関根学園が粘る上越を突き放し、初の北信越切符を手にした。
関根学園は初回に先頭の水井が三塁打で出塁すると三番・五十嵐の左前適時打で先制。さらに四番・荒井の右中間二塁打で2点目を挙げる。
上越は初回に四番・竹田の適時打で1点を返すと、2回には相手守備のミスで同点に追いつく。中盤の5回までは点の取り合いとなり、関根学園が1点をリードし5回を終える。
試合の流れが決まったのは6回、関根学園が五番・藤澤の適時打で1点を追加すると、七番・中田のランニング本塁打などでこの回計5得点。7回にも1点を入れ、コールド勝ちした。

上越の先発は準決勝に続く連投となった①高波力也投手(2年)


1回表、関根学園は三番・五十嵐隆選手(2年)の左前適時打で先制


1回表、三塁打を放った水井健太選手(2年)が先制のホームを踏む


関根学園の先発⑩斉藤倭投手(2年)


1回裏、上越が四番・竹田大地選手(1年)の左前適時打で1点を返す


6回表、関根学園が五番・藤澤大地主将(2年)の左前適時打で1点を追加


6回表、関根学園は七番・中田智也選手(2年・中央)の中越えランニング本塁打で2点追加


初の北信越切符をつかんだ関根学園


中盤以降突き放され、惜しくも敗れた上越

◇関根学園・安川斉監督の話◇
「(北信越大会初出場だが)先を考えている余裕は試合中もなかった。スンナリいい試合で勝てる試合は滅多になく慣れているが、ウチらしい試合だった。打線はきのうのきょうで球速の違いをどう対応できるかというのがあったが、昨日のバスの中で『打席のベースに寄れ』と指示した。インコースを突いてくるのはわかっていたので。外のコースを逆方向に打つつもりでと言っていた。水井が突破口を開いてくれて勢いに乗れた。中田があの場面で(ランニング本塁打を)打ったのが大きい。高波くんと同じ中学校で、シード戦(の上越戦)では無安打だったので、『何を気を遣っているのだ』とカツを入れたら打った。投手が誤算でがっかり。気持ちの弱さが出て、厳しいコースに投げられなかった。(3位は)まだ勝ったばかりで、あす学校に行って嬉しさが出ると思う。(初の北信越で)うれしいが不安もある。きょうの投手の出来で県代表として・・・無様な試合はできない。ただ今はよくやったと選手を褒めたい。(上越勢対決だったが)上越高校さんの分までしっかり戦いたい」

◇関根学園・藤澤大地主将の話◇
「投手陣がよくなくて、自信を持っている打線でカバーするしかないと思い、打ち勝とうと意識した。(自身のタイムリーで)四番の荒井に送りバントで監督に『任せた』と言われたので、自分が決めてやろうと打席に入った。シード戦で上越高校には負けていたのでリベンジしたかった。何より北信越大会には関根学園は行ったことがなかったので嬉しい。新しい歴史を作ることができた。この勢いで北信越でも一戦一戦粘り強く頑張っていきたい。(出身地の長野県での北信越大会で)地元の大会で大暴れしたいという気持ちがあった。やっと地元でできるので、しっかり暴れてきたい」

◆上越・川田淳監督の話◆
「子どもたちはよくやった。最初に2点を取られても、1回に1点を返し、2回に同点にし・・・そこで少し落ち着いてやらせてあげられればよかった。なかなか落ち着かせることができなかった。それは私のせい。選手は持てる力は全部出した。(雨だったが)どんな状況でも心を安定させてできるようしなければいけない、それが私の仕事。高波はよくやってくれたが、プレッシャーがあったのか緊張していた。本当は早く代えてあげたかったが・・・。きのうの負け、きょうの負けは全部私のせい。ウチの高校野球を選手たちはよく表現してくれた。この負けをムダにしてはいけない。7回途中で少し集中力がふっとなくなったような気がしたので、タイムを取ってその後ショートライナーで併殺で終わったが、早くああいう状況になっても切り替えて、スイッチを入れられるチームにしたいと思う」

◆上越・島田拓実主将の話◆
「自分たちはずっと上の大会を目指してやってきた。昨日負けた後に切り替えることができたと思うが、いざ試合が始まると緊張感が大きくなり、自分たちのプレーができなかった。全員が北信越ということを意識しすぎて、初回から点を取られる悪い流れから始まってしまった。高波には内野ゴロにすればアウトにするからと言っていた。高めに浮いた変化球を狙われ長打につながってしまった。ピンチでタイムを取れず、まだまだ経験不足。主将としてチームの見本としてやっていく、チーム全体を盛り上げられる選手になりたい。ベスト4まで来ることができたことを強みに、一冬を越して春夏までに一球一球の重みをしっかり感じる練習をしたい」


5県の代表16校が競う北信越大会は、10月7日に組み合わせ抽選会がおこなわれ、15日に長野県で開幕。22日に準決勝、23日に決勝戦がおこなわれる予定。

(取材・撮影・文/岡田浩人 取材/松井弘恵)


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