【イベント】“日本一”ホークス流の集客術を学ぶ 新潟経営大スポーツビジネスセミナー

2年連続で日本一に輝いたプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの集客、盛り上げのためのイベントを通して地域が一体となるためのスポーツビジネスについて学ぶ公開セミナーが4日夜、新潟市のメディアシップで開催された。加茂市の新潟経営大が企画し、元選手の柴原洋さん(41)、球団職員で営業の近藤公明さん(36)、三条市出身で宣伝担当の市川圭之介さん(42)の3人を招いて、毎年7月にファンや一般の市民を巻き込んで選手を応援するイベント「鷹の祭典」について話を聞いた。会場には学生や野球ファン、スポーツチーム関係者など約100人が集まり、3人の話に聞き入った。
ホークス流の集客術について話す3人の講師 左から2人目が元選手の柴原洋さん

セミナーは新潟経営大のスポーツマネジメント学科の福田拓哉准教授が司会を務め、福田ゼミナールの学生が運営をおこなった。

鷹の祭典は毎年7月におこなわれるイベントで、10年前から始まった。選手やファンが同じ色のユニフォームを着て、福岡での主催試合を盛り上げる。この時期は地下鉄の職員や協賛企業の社員なども同じユニフォームを着て、街ぐるみでチームを後押しする。

イベントの宣伝を担当する市川さんは「選手と同じ色のユニフォームをプレゼントすることで、仲間意識の向上と一体感が図られ、ワクワク感を醸成する。球場の中だけでなく球場の外にどうやって広めていくかを考え、協賛企業や公共施設にも協力していただいている。このイベントを福岡三大祭りに並ぶ福岡の文化にしたいと考えている」とその目的と宣伝手法を説明した。

営業を担当する近藤さんは「期間中の球場の集客は通常の試合の平均と比べて7000人プラス、グッズの売り上げも3.4倍に増える」と話し、「試合への協賛企業も増え営業的にも大きい」と効果を説明した。

柴原さんは「選手としては『負けてはいけない』という気持ちにさせられる。球場が同じ色に包まれ、相手チームへの威圧感もあり、そのために逆転勝ちしたような試合もある。選手を後押ししてくれるイベント」と選手の立場での感想を話した。実際にこれまでの「鷹の祭典」期間中のホークスの通算成績は33勝12敗で7割3分3厘という高勝率をマークしている。

市川圭之介さんは三条市の出身 2006年からホークスの宣伝を担当している


営業担当の近藤公明さんは数字で「鷹の祭典」の効果を解説し


名外野手として活躍した柴原洋さんは選手の立場からイベント効果を力説

参加者からは「若年層の集客についてホークスではどのような施策を実施しているのか」など、新潟のプロスポーツチームが抱える課題についての質問が出されるなど、約2時間のセミナーは最後まで熱気に包まれていた。

学生、野球ファン、スポーツチーム関係者など約100人の参加者が集まった

(取材・撮影・文/岡田浩人)