【高校野球】日本文理が逆転サヨナラ本塁打で2年連続V 新潟大会決勝 

第96回全国高校野球選手権・新潟大会は27日、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで決勝戦がおこなわれ、日本文理が1点差を追う9回裏、3番小太刀緒飛選手のサヨナラ逆転3ラン本塁打による劇的勝利で2年連続優勝。夏の大会では県内最多タイをなる8回目の甲子園出場を決めた。

回裏1死1、2塁から小太刀緒飛(おとわ)選手が逆転サヨナラ本塁打放つ


2年連続8回目の夏の甲子園出場を決め喜ぶ日本文理の選手たち

◎27日の決勝戦◎
日本文理4×-2関根学園
関根110 000 000 |2
文理000 000 103×|4

(バッテリー)
関根:①中村、⑩樋口-②斉藤
文理:①飯塚-②鎌倉

(本塁打)
文理:③小太刀(9回裏3点本塁打)


決勝戦・試合開始


日本文理の先発①飯塚悟史投手 立ち上がりに制球が甘く失点した


1回表、関根学園は3番・小山謙太郎選手の左前安打で1、3塁とチャンスを拡げる


1回表、関根学園が4番・土田拓朗選手の内野ゴロの間に1点を先制


関根学園の先発①中村光希投手 低めの制球が冴え文理打線を無失点に抑える


2回表、関根学園は7番・草間義将選手が左中間二塁打で出塁


2回表、関根学園は9番中村光希選手の右前適時打で1点追加


2回表 9番中村選手の適時打で生還する草間選手


2点目を挙げ、沸き上がる関根学園ベンチ


2回表、マウンド上に集まる日本文理の内野陣


2回裏、日本文理6番・小林将也選手が左中間二塁打で出塁も後続倒れ無得点


3回以降、日本文理の飯塚投手は立ち直り、6回まで関根打線を三者凡退に抑える


5回裏、日本文理は2死から9番・飯塚選手が二塁打放つも無得点


文理打線を5回まで0点に抑え、笑顔でベンチに戻る関根学園・中村投手(左)


5回裏終了後、ベンチ前で円陣を組む日本文理の選手たち


6回裏、関根学園は投手交代⑩樋口甲星投手がマウンドへ


6回裏、日本文理は失策と死球で2死1、2塁も6番・小林選手が中飛に倒れる


6回裏を0点で抑え笑顔でマウンドを降りる関根学園・樋口投手


7回裏、日本文理は先頭の7番・新井充選手が左前安打で出塁


8番・鎌倉航選手が右前安打で1、3塁とチャンスを拡げる


9番・飯塚選手の遊ゴロ併殺崩れの間に1点返す


8回表、関根学園は代打⑰磯貝涼選手が左前安打で出塁も無得点


9回表を0点に抑え、ベンチへ引き上げる日本文理・飯塚投手


9回裏、日本文理は先頭の9番・飯塚選手が左前安打で出塁


9回裏、1番星兼太選手を打ち取り、1死1塁とし関根学園・斉藤航捕手がマウンドへ


9回裏1死1塁、日本文理ベンチは重苦しい空気が流れていた


2番・黒臺騎士(くろだい・ないと)選手は四球を選んで1死1、2塁


3番・小太刀緒飛選手が右越えの逆転サヨナラ3点本塁打放つ


二塁走者の飯塚選手、一塁走者の黒臺選手、そして小太刀選手の3人がホームへ

三塁ベースを周り拳を突き上げる小太刀選手


ホームベース上で歓喜に沸く日本文理の選手たち(一塁側から撮影)


ホームベース上で歓喜に沸く日本文理の選手たち(三塁側から撮影


試合終了の挨拶後、抱き合う両チームの主将(左端)


整列時、涙を見せる日本文理・池田貴将主将(手前)

◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「あそこでホームランが出るとは思わなかった。またフライかと思ったら伸びていった。(飯塚は)初回と2回に真ん中にボールが集まり過ぎていた。後半は安心して見ていられた。関根学園が一戦ごとに強くなっていったのを肌で感じた。(劇的な試合が多いが)池田を中心に諦めないぞという姿勢がこのチームにはある。(甲子園では)どうしてもこのチームで選抜のリベンジをしたいと選手と話していた。全国制覇が目標なので、それを目指して頑張る」

◇日本文理・池田貴将主将の話◇
「(涙で)苦しかった。甲子園に行けることは嬉しいし、最高の仲間なので、絶対に全国優勝したい。関根学園はシード校を撃破しているチームで、前半は勢いに飲み込まれてしまった。絶対にひっくり返せると思っていた。小太刀ありがとうと言うしかない。ここがまた新たなスタート地点。全国優勝を目指して一戦一戦頑張りたい」

◇日本文理・飯塚悟史投手の話◇
「嬉しい。序盤でみんなに申し訳ない投球をして、仲間に感謝したい。逆転できる力はあると仲間を信じていた。甲子園を目指してやってきた。まず1勝を目指して頑張りたい。持ち味をしっかり発揮できるよう甲子園でも思い切った投球を見せたい」

◇日本文理・小太刀緒飛選手◇
「信じられない気持ち。次の池田につなげば何かが起きる、と思っていた。無我夢中だったので球種はよく憶えていない。一塁ベースを周った時に(栃木県から)新潟に来て良かったと思った。甲子園では全国制覇を目指して頑張りたい」

◆関根学園・安川斉監督の話◆
「悔しい。ただ本当によくここまで頑張った。全国制覇を目指すチームを相手に最終回まで苦しめたのだから・・・。想像できないくらいのチームだった。コツコツと努力した3年生、何かやってくれるかなと思っていた。理想通りの試合運びだった。中押しできなかったのが大きかった。投手交代は予定通り。ただ樋口はきのうの明訓戦で打球をぶつけて左足の中指を骨折していて、本人もどうしても投げたいと。私も彼でという思いがあったので後悔はしていない。素晴らしい選手だった、ありがとうと言いたい。笑顔で上越に帰ります」

◆関根学園・市橋崇見主将の話◆
「チームワークが良く最高のチームだった。試合を楽しもうと言い続けてきた。本当は泣きたいぐらい悔しいが、準優勝という結果は凄く良い結果だったので、笑顔で帰ろうと思う。(上越からの応援は)本当に嬉しかった。文理も打ったが、打撃では自分たちも負けなかったと思う。ただ最後にあそこで打てるのは全国制覇を狙っているチームだなと思った。(日本文理の池田主将には)『絶対に全国制覇してこいよ』と言った。この大会で怖いことも、楽しいことも、いろいろ野球で経験させてもらえた。後輩には甲子園に行って欲しい」

◆先発した関根学園2年・中村光希投手の話◆
「文理打線は甘いボールを打ってるので低めを突いた。インコースと緩急を意識した。立ち上がりは緊張していた。(0点に抑え自信になった?)はい。最後はサヨナラで負けたが、納得いく野球ができたと思う」


優勝した日本文理


準優勝の関根学園

(取材・撮影・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一)