【高校野球】日本文理が2年連続の秋優勝 第3代表は中越

第129回北信越高校野球・新潟県大会は23日、ハードオフ・エコスタジアム新潟で決勝戦がおこなわれ、日本文理が4-3で新潟明訓をくだし、2年連続で秋の県大会を制した。決勝戦の前におこなわれた第3代表決定戦は中越が3-2で三条をくだした。

これで10月12日から福井県でおこなわれる北信越大会には、日本文理、新潟明訓、中越の3校が出場する。この3校の出場は2004年秋以来。北信越大会は10月4日に福井市で組み合わせ抽選がおこなわれ、12日に開幕。12日に1回戦、13日に2回戦(準々決勝)、19日に準決勝、20日に決勝がおこなわれる予定。


◆決勝戦 日本文理4-3新潟明訓◆
日本文理 000 001 030  4
新潟明訓 000 000 201  3
⇒日本文理が2年連続で秋の県大会優勝

(投手)
文理 ①飯塚
明訓 ①村山-⑪漆原(9回0死~)

決勝戦は日本文理・飯塚悟史、新潟明訓・村山賢人の両エースの投げ合いで始まった。飯塚は力のある直球とスライダーで5回まで被安打2で無失点。村山も最速142キロの直球と低めに制球された変化球で文理打線に的を絞らせず5回まで被安打1で無失点。中盤まで両投手の我慢比べとなった。

日本文理の先発・飯塚悟史投手

新潟明訓の先発・村山賢人投手

試合が動いたのは6回。文理は1番竹石の内野安打と悪送球、2番黒台の中前安打で1死1、3塁のチャンスを作ると、3番飯塚が右前適時打を放ち、1点を先制した。

1点を追う明訓は7回、2死から2番佐藤が文理の右翼手・星の右飛落球で出塁すると、3番主将の小池が右越え三塁打を放ち同点に追い付く。さらに続く打者の際に捕逸が出て、3塁走者の小池が生還。この回逆転した。

6回表、日本文理の3番・飯塚悟史選手の適時打で1点先制

7回裏、捕逸の間に新潟明訓・小池那弥選手が生還し逆転に成功

逆転された文理は8回、2死から2本の内野安打と四球で満塁のチャンスを作り、5番星が走者一掃の右線二塁打を放ち一挙3点を入れ、試合をひっくり返した。

文理の先発・飯塚は9回に四死球と守備の乱れで1点を失ったが、この日175球目となるボールで最後の打者を空振り三振に切って取り試合終了。日本文理が去年秋に続き北信越高校野球の新潟県大会で18回目の優勝を飾った。

8回表、日本文理の星兼太選手が走者一掃の適時二塁打を放つ

175球を投げ完投した日本文理・飯塚悟史投手

試合終了後、校歌を歌う日本文理ナイン

◇日本文理・大井道夫監督の話◇
「選手たちはきょうは気持ちが入っていた。褒めてやりたい。新潟明訓は投手が良く、想像よりも打撃が良かった。いいゲームをさせてもらった。飯塚は今大会を通じて成長している。9回に出した四死球を反省材料に北信越大会で頑張ってほしい。北信越大会では優勝を狙って頑張る」

◇日本文理・星兼太選手の話◇
「(8回は)先輩たちがつないでくれたので何とか打ちたかった。前の打席で内角で三振を取られていたが、内側の変化球が来たので振り抜いた。(今春に入学し春からベンチ入りしたが)精神面に課題があった。結果が出ず心が折れそうになったこともあったが、先輩から支えてもらい上を向くようにしてきた。きょうも7回に右翼の守備で落球し動揺したが、やるしかないと思い無我夢中だった。最後に期待に応えられて良かった。北信越大会は新潟県大会以上の相手と当たる。一度リセットして課題を改善して臨みたい」

◆新潟明訓・本間健治郎監督の話◆
「村山は落ち着いてよく投げていた。今の村山にこれ以上を望んだら可哀想。星選手に打たれた時、気負い過ぎている感じがした。文理の飯塚投手はいいボールが決まっていた。もう1つレベルアップして北信越大会に臨みたい」

◆新潟明訓・村山賢人投手の話◆
「日本文理は強かった。自分のいいピッチングを引き出してもらった。一人一人がいい打者で集中して投げることができた。低めのスライダー、直球と緩急をつけながら投げることができた。ただ5番の星選手に打たれてしまったのは自分が力んでしまった。相手打者の方が上だった。北信越大会では去年も自分が投げて選抜まであと一歩のところで負けてしまった。最後の最後まで集中力を切らさず投げ切りたい」


優勝した日本文理ナイン

準優勝の新潟明訓ナイン

<第3代表決定戦 中越3-2三条>
中越 001 100 100  3
三条 000 002 000  2
⇒中越が2011年春以来の北信越大会出場 (秋は2009年以来)

(投手)
中越 ①星(佳)
三条 ①小杉-③田中(5回~)-①小杉(7回1死~)

中越がエース星の力投で逃げ切った。中越は3回、5番小川の犠飛で先制。4回には2番小林の適時打で1点を追加した。三条は6回、3番平原の右中間を破る適時三塁打で1点を返すと、4番小杉の犠飛で同点に追い付いた。

中越は7回、四球の走者を置き、4番治田が右前安打と捕逸で1死2、3塁とすると、5番小川の内野ゴロの送球間に3塁走者が生還し、1点を勝ち越した。

中越の先発投手・星は9回完投で136球を投げ、被安打6、3四死球、8奪三振で2失点と粘りの投球で逃げ切った。

9回完投で粘りの投球を見せた中越・星佳孝投手

ベスト4進出も、惜しくも北信越出場はならなかった三条ナイン

◇中越・本田仁哉監督の話◇
「追い付かれ嫌な形だった。7回は治田の1本が大きかった。逆らわずに右に打てた。星は連投で中盤に疲れからか重そうだったが、2点を取られ追い付かれた後、また良くなった。スイッチを終盤で入れられる、いい力を出してくれた。北信越大会は選抜を狙っていきたい。新チームは1年生が多く、1日、1時間練習をするごとに力を付けていくチーム力がある」

◇中越・星佳孝投手の話◇
「連投で疲れはあったがそんなことは言っていられない。5、6回は球が行かないなと思ったが、追い付かれた後にスイッチが入った。この大会では自分が有利なカウントで球数を多く投げさせられた。そこを少なくできれば後半にもう少し行けた。そこが課題。成長できた部分は内野に1年生が多いチームで、自分が冷静に投げることができた点。北信越大会は万全の状態で臨み、県大会より強い相手に勝って、(準決勝で敗れた)明訓にリベンジしたい」

(取材・撮影・文/岡田浩人)