【高校野球】2回戦13試合で熱戦 1試合が順延に

夏の高校野球・新潟大会は15日、2回戦14試合が予定されていたが五十公野の第2試合が雨のため順延となり、13試合がおこなわれた。昨夏代表の新潟明訓が新発田南を相手に6回コールド勝ちし、好スタートを切った。

◆15日の試合結果◆
<新潟市・鳥屋野>
新潟明訓10-0新発田南(6回コールド)
新潟工10-3開志学園(8回コールド)
巻6-5北越(試合終了)

<新発田・五十公野>
新発田9-0新潟青陵(試合終了)
佐渡(中止・順延)新発田商

<新潟市・みどりと森>
新津南3-0佐渡総合(試合終了)
東京学館新潟3(5回終了)0豊栄

<長岡市・悠久山>
上越総合技術19-0川西(5回コールド)
中越4-0長岡(試合終了)
(有恒・安塚-小出は有恒・安塚が選手負傷により棄権。小出の不戦勝)

<三條機械スタジアム>
十日町7-3三条東(試合終了)
長岡大手8-5三条(試合終了)

<柏崎市・佐藤池>
糸魚川3-0長岡向陵(延長14回)
柏崎工11-1三条商(6回コールド)
長岡高専7-2海洋(試合終了)

◇新潟明訓 投打かみ合い好スタート◇
昨夏代表の新潟明訓が新発田南を相手に10-0の6回コールドで快勝した。初回に主将の竹内薫平が右越えの先頭打者本塁打で先制すると、相手の失策から5本のヒットを集中しこの回5得点。その後も小刻みに得点を重ね、6回までに16安打で10得点を挙げた。

新潟明訓の竹内薫平選手が先頭打者本塁打を放つ

守っては先発左腕の背番号18の3年生・斎藤優樹が低めを丁寧につく投球で、6回を投げて被安打4、四球1で無失点の安定した内容だった。昨年秋に監督に就任し、夏の采配が初めてとなる本間健治郎監督は「先を見ないとは言っても(エースの)村山、(背番号11の)漆原は状態のいいところで投げさせたいと思っていた。斎藤も力を付けてきていたので前から初戦の先発と決めていた。自分の投球をやり切ってくれた」と満足の表情を見せた。

新潟明訓の初戦のマウンドを託された斎藤優樹投手

主将で昨夏の甲子園を経験した竹内薫平は「去年は(初戦逆転勝ちと)苦しいスタートだったが、今年はいいスタートを切れた。春の村上桜ヶ丘戦でコールドにできるところをできなかった(6-1から逆転負け)。その反省点はいかせた。去年は投手の竹石さんというスター選手がいたが、今年はそういう選手はいないので、1人1人のチームワークが良くないと勝てない。いい形できている」と手応えを感じていた。

(取材・撮影・文/岡田浩人)


連合チームだから学べたこと・・・羽茂・相川の長尾貴将主将

初回に6点を先制したものの、中盤に逆転され、結果は8-15で加茂農林に8回コールド負け。連合チームとしての公式戦初勝利はならなかったが、主将の長尾貴将(羽茂)は「連合チームで8回まで野球をやれて誇りに思う」と話した。

ピンチでマウンドに集まる羽茂・相川の選手たち
(右端が長尾貴将主将)

部員不足の羽茂と相川が初めて連合チームを組んだのは去年秋のこと。同じ佐渡市内にある学校と言っても、互いの学校の距離は車で1時間ほどかかる。「最初は羽茂単独で出たいなという葛藤があった」と話す長尾。合同練習は限られた時間しかできなかった。秋の大会は1回戦で7回コールド負け。今春の県大会1回戦でも村上を相手に0-25で5回コールド負けを喫した。

「連合チームで出場していいのか」・・・周囲にはそんな声もあったという。しかし長尾は「見返してやりたかった。連合チームだからと言って決して弱いわけではない」と奮い立った。チーム内のコミュニケーションを大切にした。練習では常に声を掛けあうよう何度も部員に言った。羽茂で生徒会長を務める長尾は、限られた練習時間を大切に過ごした。部員にも時間を大切にすることを呼び掛けた。相川の選手たちとも徐々に打ち解けるうちに、連合チームだから学べることに気がついた。

「羽茂という枠にとらわれず、相川という別の学校に行けるというのは連合チームならではの経験。人間は1人1人に個性がある。別の個性に触れてみたり、普段とは別の人に触れるという経験は大きかった。連合チームだから良かったということはたくさんあります」

試合後に整列する羽茂・相川の選手たち

14日の試合は、5回に集中打を浴び一挙6点を入れられ逆転された。しかし竹内由和監督は「いつもは序盤からミスで崩れていたが、今日はミスから崩された訳ではなかった。外野と内野の連係プレーも及第点をあげたい。見せ場も作ることができた」と選手をねぎらった。長尾は「相手の力が後半上回って勢いを食い止められなかった。でも最後まで全力プレーでできた。今までできなかった連係プレーが本番では十分出せた」と振り返った。

羽茂・相川の長尾貴将主将

この後も部員不足から連合チームを組む学校は予想される。「連合チームだからと言って自信をなくさないでほしい。結果はコールド負けだったが、8回までやれた。去年の夏に羽茂単体で出た時は5回コールド負けだった。一歩一歩前に進んでいる。次につなげることができたと思う」・・・長尾は胸を張って後に続く“後輩”たちにメッセージを残した。

(取材・撮影・文/岡田浩人)