【ドラフト】知野はDeNA 鈴木はヤクルト 漆原はオリックス育成 NPBドラフト会議

NPB(日本野球機構)のドラフト会議が25日、都内のホテルで開かれた。新潟県関係では、新潟アルビレックスBCの知野直人内野手(19歳・三条市出身)がDeNAから6位指名、日本文理高校3年の鈴木裕太投手(18歳・新潟市西区)がヤクルトから6位指名を受けた。また育成ドラフトでは新潟医療福祉大4年の漆原大晟投手(燕市出身)がオリックスから育成1位指名を受けた。新潟県関係は一昨年の3人、昨年の4人に続き、今年も複数の3人が指名された。

DeNAから6位指名を受けた新潟アルビレックスBC・知野直人(中央)
DeNAのユニフォームで応援してきたファンと指名を喜んだ

新潟県関係で最初に名前を呼ばれたのは新潟アルビレックスBCの内野手・知野だった。入団2年目で強肩、強打、俊足の三拍子揃った内野手として活躍。シーズン終盤にはDeNAの進藤達哉GM補佐兼編成部長が直接視察に訪れ、指名の方針を固めていた。6位指名で、新潟アルビレックスBCからは初の支配下指名となった。

新潟市のハードオフ・エコスタジアムで開かれた記者会見で、知野は「幼い頃からの夢がやっと叶った。感謝の気持ちでいっぱい」と涙を見せた。「波乱万丈な人生を送ってきた。野球というスポーツに人生を懸けてやってきた」と振り返り、「母親(あゆみさん)に迷惑をかけてきた。野球をやめるかという話もした。諦めずに野球をさせてくれてありがとうと言いたい」と感謝の言葉を述べた。

会見で涙を見せる知野 母親のあゆみさんへ感謝の言葉を述べた

DeNAについては「飯塚(悟史)さんがエコスタで投げているところを見て格好いいと思っていた。飯塚さんに続けるよう一日も早く一軍に上がり、ここで試合をしたい。新潟県の子どもたちに『知野直人のような選手になりたい』と言ってもらえるような選手になりたい」と決意を話した。

目標にしている選手は「ヤクルトの山田哲人選手。トリプルスリーを取れるような選手になりたい」と話し、対戦したい投手に「日本で一番凄い(巨人の)菅野(智之)投手」と名前を挙げた。「まだ19歳。若さをいかしたプレーをどんどんアピールしたい」と目を輝かせた。


ヤクルトから6位指名を受けた日本文理高校3年の鈴木裕太は、新潟市西区の同校で指名の瞬間、チームメイトと喜びを爆発させた。「とても嬉しい」と何度も繰り返した。

今春、新潟県の高校生として初めて150キロをマーク。今夏は新潟大会4回戦で敗れたが、いち早くプロ志望を表明し、この日を待った。

鈴木崇監督(左)、大井道夫総監督(右)とともに指名を喜ぶ鈴木裕太(中央)

指名後、同校で開かれた記者会見で鈴木は「幼い頃からの夢であったプロの舞台に挑戦できる権利を得たので、今からプロ野球選手だという意識を持ってこれからの生活もしっかりしていきたい」と第一声。「小さい頃から野球を続けさせてくれた両親に感謝の気持ちを伝えたい」と続けた。

ヤクルトについては「先輩の本間忠さん(元ヤクルト投手)が活躍していた球団で行ってみたかった」と話し、「小学生から憧れを持ってもらえる選手になりたい」と意気込みを語った。「自分の強みは真っすぐ。強い真っすぐをプロでもいかし、成長していきたい。応援してくれた新潟の人たちにプレーで恩返ししたい」と目を輝かせた。

会見に同席した同校の鈴木崇監督は「これからの新潟の野球少年たちの夢になってほしい」と注文。大井道夫総監督は「しっかり練習をして、3年後に一軍で活躍できる選手になってほしい」と激励した。

チームメイトに肩車され、笑顔でガッツポーズする鈴木裕太

自信のある直球については「まずは155キロを目標にしていきたい」と話した鈴木。「この夏は甲子園に出られず悔しい思いをした。甲子園に出た選手には負けない」とプロでの活躍を誓っていた。


新潟医療福祉大4年の漆原大晟(新潟明訓高出身)はオリックスから育成1位指名を受けた。同大では新潟県の大学から初めてNPB入りを果たした中日・笠原祥太郎に続き2人目のプロ誕生となる。

新潟市北区の同大で記者会見した漆原は「自分自身、まだまだ発展途上。これからスタートラインに立ち、向上心と反骨芯を持ちながら頑張りたい」と意気込みを話した。
オリックスから育成1位指名を受けた新潟医療福祉大・漆原大晟

高校時代から速球派として知られ、同大入学後の1年秋には11連続奪三振のリーグ新記録を打ち立てた。4年生となった今春のリーグ戦では自己最速の151キロをマークし、スカウトから注目を集めた。ただ進路については「プロ志望届を提出するか、しないかで迷いが生まれ、たくさんの人に迷惑をかけた」と吐露した。しかし、プロ志望届を提出後は「育成でも指名されれば行きたい」とこのドラフトに懸けてきた。

同大の佐藤和也監督は漆原について「育成ではあるが、投手として実力をつければ十分にやっていける。強い直球があり、変化球も上手く使えるようになってきた」と話し、「あとは出来のいい日とよくない日があるので、ムラをなくしていくこと」と課題を挙げた。

野球部の佐藤敏郎部長(左)、佐藤和也監督(右)と指名を喜ぶ

オリックスについて「若手の投手陣が一軍の試合で投げている。投手力は申し分ない球団」との印象を話し、「自分よりレベルの高い選手がいる世界。周りに負けない練習を積んで、支配下登録されるよう頑張りたい」と力を込めた。

(取材・撮影・文/岡田浩人 取材・撮影/松井弘恵)


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