【高校野球】中越 甲子園ベンチ入りメンバー紹介(後編)

「第100回全国高校野球選手権記念大会」に新潟代表として2年ぶり11回目の出場を果たした中越高校のベンチ入りメンバー18人と記録員を前編・後編の2回に分けて紹介する。

※名前・読み方・学年・守備位置・出身中学(硬式出身チーム)・身長体重・投打


⑩広川俊也(ひろかわ・としや)3年・外野手
 長岡西中 175センチ 65キロ 右投右打

外野手の控え。強肩が武器。16年に甲子園出場を果たした代の主将・広川健介さんの弟で、「入学時は捕手で、15年の波方(凌)さんに憧れて入学した」と話す。ただ入学してみると「想像以上の練習だった」という。全体練習後も必死に自主練習で汗を流し、昨秋、外野手としてベンチ入りを果たした。副将として小鷹主将をサポートしながらまとめ役を果たした。。甲子園では一塁コーチとして、大きな声を出し、「代打で出る機会があれば流れを変える一振りをしたい」と力を込める。

⑪小林洸誠(こばやし・こうせい)2年・投手
 柿崎中(上越シニア)171センチ 66キロ 右投右打

新潟大会では脇腹痛のケガのためベンチ入りしていなかったが、ケガも治り、甲子園からベンチ入り。投手のほか、外野手もこなす器用さを持つ。「中3の時に2年連続で甲子園出場…ここに来れば甲子園に行けると考えた」と進学した理由を話す。直球で押していきながら、変化球でタイミングを崩すのが投球の持ち味。甲子園では「連れて行ってもらった甲子園。3年生に感謝して、出場機会があれば精一杯プレーしたい」と話す。

⑫本間勘亮(ほんま・かんすけ)3年・捕手
 堤岡中(長岡シニア)174センチ 83キロ 右投右打
捕手の控え。「小鷹も捕手だが、何があるかわからない。いつでも出場できる準備をしている」。15年に甲子園に出場した先輩が中学の同窓で、「甲子園に行くために中越に来た」と話す。流れを変えるプレーや打撃を期待される役割。昨夏の練習試合11連戦で、打撃や捕手のリードで結果を残した。「あの結果があったから今がある」。甲子園では「代打や、流れを変える場面、小鷹の緊急事態には自分がマスクを被るしかない。出場の場面が来たら自信を持ってプレーしたい」と力を込める。

⑬石井太朗(いしい・たろう)3年・内野手
 聖籠中(新発田シニア)173センチ 82キロ 右投左打

新発田シニアの出身。中3の時、同じ新発田シニアOBで15年の中越の主将だった齋藤颯さんから『人間性も育つし、甲子園に近い。自分たちは甲子園で勝てなかったが、お前たちは勝ってくれ』と言われて、中越を選んだ。昨秋は四番も任されたが、9月に手首をケガ。春には手術を経験した。夏、ようやく復帰した。「勝負は1打席。その1打席にどれだけ集中して、決めることができるか。1打席に懸ける」と甲子園での出場に備える。

⑭川島悠弥(かわしま・ゆうや)3年・内野手
 江陽中(長岡シニア)171センチ 67キロ 右投左打

内野手の控え。7月29日の練習では猛暑の中、最後までノックを受け続け、チームのムードメーカー役としての役割を果たした。「集まるメンバーを聞いた時に一番甲子園に近いと思った」と中越を志望。昨夏、新潟大会決勝で敗れた後、「練習試合が続く中、必死に頑張った」と振り返る。試合では三塁のランナーコーチとして、声を出すとともに、「走者に場面を伝えた上で、的確な判断をしなければ」と気を引き締める。「甲子園では勝つことに集中して全力を注ぎたい」と目と声でサポートする。

⑮髙野海輝(たかの・かいき)3年・外野手
 青葉台中(長岡東シニア)167センチ 70キロ 右投右打

外野手の控え。「中学から甲子園に行きたくて中越に来た」と話す。昨秋の県大会、「チャンスで三振してしまった。春に絶対に結果を出したかった」と振り込んできた。その結果、春の順位決定戦で適時打を放つなど勝負強さを見せた。「同期が2年生からスタメンに入り、その活躍を見て刺激を受けてきた。負けないようにと練習してきた」と努力で右の代打の切り札としての地位を築いた。「一振りで球場の雰囲気を変えたい。驚かせたい」と出場の場面に備えている。

⑯佐藤旦有夢(さとう・あゆむ)1年・内野手
 両川中(新潟江南シニア)179センチ 75キロ 右投右打

新潟江南シニアでは日本代表に選ばれた経験を持つ。「打撃が柔らかい」(本田監督)と初戦の三条戦で遊撃手としてスタメン出場。初安打を放った。しかし2回には2失策。「緊張した。焦ってしまった。1つめの失策を引きずった」と苦笑い。ただ、「初めての大会で、大舞台の甲子園の切符を掴むことができて、貴重な経験をさせてもらいうれしい」と前を見る。甲子園では「自分にできることをしっかりしたい」と落ち着いた声で話す。

⑰須田翼太(すだ・らんた)3年・外野手
 堀之内中 164センチ 56キロ 左投左打

「翼」に「太」で「らんた」と読む。「最初は読んでもらえません」と笑う。兄が中越OBで遊撃手だった。「甲子園に出れなかった兄を越えたい」と中越に入学した。足がアピールポイントだが、「50メートル走は速くないが、塁間の速さが持ち味」と語る。昨秋からベンチ入りを果たしたが、「去年の夏に負けた後、スタンドから『変わらなければ』と感じた。特に持ち味をいかすためバント練習を多くした」と話す。「武器をいかしてチャンスをいかすプレーをしたい」と意欲を見せる。

⑱佐藤雅之(さとう・まさゆき)3年・投手
 長岡西中 171センチ 64キロ 左投左打

直球の球速は130キロ台半ばだが、「追い込んでから投げる変化球の制球、キレで勝負する」。中学時代はエースとして県大会に出場。中学の先生から中越を勧められたという。最初は「練習についていくのがやっと」だったが、腐らず努力を重ねた。その結果、6月末にエコスタで行われた「引退試合」で結果を残し、初のベンチ入りを勝ち取った。甲子園へ向けて、「(山本、山田の)2人がピンチの場面で救えるようにと思っている。相手のレベルは上がるが強気の投球を心掛けたい」と意気込む。

<記録員>石田圭祐(いしだ・けいすけ)3年・堤岡中 

内野手だったが、2年夏が終わった段階で記録員になった。「最初はプレーしたかったが、秋春夏と自分の役割を果たせるならやり甲斐のある仕事」と前向きに備える。新潟大会で優勝して、本田監督の隣で校歌を歌いながら、「優勝した実感がなかなか湧かなかった」と笑う。「選手は自分のことで精一杯になる。その分、自分がいろいろなところに目を配り、選手のサポートをし、勝利に近づけることができれば」と言う。「記録員はたった1人」と誇りを持ち、甲子園でも選手のサポート役に徹する。

(取材・撮影・文/岡田浩人 撮影/嶋田健一)


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