【イベント】野球ひじ検診やコンディショニングの大切さ学ぶ 青少年野球フェスタ

子どもの頃の投げ過ぎなどが原因による障害「野球ひじ」を予防し、体のコンディショニングなどを学ぶことで長く野球を続けてもらおうというイベント「ベースボールフェスタ2016」が17、18日の2日間、新潟市のハードオフ・エコスタジアムで開催された。新潟県高野連や中体連など18歳以下の野球団体と野球障害ケア新潟ネットワークで組織される「新潟県青少年野球団体協議会」が主催し、2日間で約1200人がひじの検診やコンディショニング教室などを受けた。

医師からひじのエコー検査を受ける小学生 2日間で約1200人が検査を受けた

この催しは2013年から毎年12月におこなわれていて今年で4回目。野球ひじの予防活動をおこなっている医療従事者による団体「野球障害ケア新潟ネットワーク」が協力し、野球ひじの無料検診のほか、コンディショニングとトレーニング教室で小学生のうちから取り組んでほしいストレッチやトレーニングを指導した。野球ひじの無料検診は新潟県ならではの取り組みで、受診する小学生が年々増えている。

参加した小学生は簡単な問診用紙に記入し、ひじの曲げ伸ばしをしてチェックを受けた後、エコー検査で骨などに異常がないかを調べた。検査を受けた約1200人のうち、小学生11人に重症化の恐のある異常が見つかり、医療機関への受診が勧められたほか、これまで検診をうけたことがなく初めて医事相談に訪れた中学生1人に重い症状が見られたという。

野球ひじ検査を受けた秋葉レッドナイトの土田和志さん(新津第一小4年)は「初めて受けたがひじに違和感がなくてほっとした。安心して野球を楽しめる」と感想を話した。

ひじの曲げ伸ばしをして異常がないかどうかのチェックを受ける小学生


コンディショニング教室で脚のストレッチの指導を受ける小学生

このほかスタジアム内では小学生を対象にした正しいストレッチの動きを学ぶコンディショニング教室や、関甲新1部に所属する新潟医療福祉大と新潟市の社会人野球チーム・バイタルネットによる野球教室も実施された。17日の野球教室では新潟医療福祉大の佐藤和也監督が指導者向けにケガをしないための正しい投球動作について指導したほか、野球部員による投球指導もおこなわれた。

新潟医療福祉大の佐藤和也監督が指導者・保護者向けに正しい投球動作を指導


新潟医療福祉大2年の漆原大晟投手(新潟明訓)が小学生にアドバイス

また今年から高校の野球部のマネージャーを対象にした救急対応の講習が初めて開催された。これは普段の練習や試合で部員の異変に気付きやすいマネージャーに、的確で正しい救急技術を持ってもらおうとおこなわれた。参加したマネージャーはAED(自動体外式除細動器)の取扱い方など、基本的な救急対応の仕方を学んだ。


AEDの使い方など救急対応を学ぶマネージャー(写真提供・山本智章代表)

野球障害ケア新潟ネットワークの山本智章代表(新潟リハビリテーション病院院長)は「野球人口が減っている中で野球ひじ検診の受診者は増え、県内の広い地域から集まってきてもらっている。検診の重要性が広まり、ケガや故障の予防に対する意識が定着してきている。また新潟医療福祉大とバイタルネットの野球教室は身近にいる選手の動きを見ることが成長期の子どもにとって大切で、地元チームの応援にもつながってほしい」とこのイベントの効果について期待を寄せた。

(取材・撮影・文/岡田浩人 写真提供/野球障害ケア新潟ネットワーク・山本智章代表)


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